OSIV/X8 FSPは,富士通の中大型汎用コンピュータFACOM Mシリーズ用のオペレーティングシステム(以下OS)OSIV/X8を大幅に強化したOSで,1983年2月に発表された.
情報システムの急速な拡大・高度化に伴い,OA (Office Automation),FA (Factory Automation)に代表されるエンドユーザへ拡大するシステムには,操作性に配慮した使いやすさが,またネットワークシステムにおいては,回線開放によって可能となる多様な通信形態に応え得るアーキテクチャが求められていた.OSIV/X8 FSPは,このような状況に対応すべくOSIV/X8をベースに開発された.
以下にOSIV/X8 FSPの特長,およびOSIV/X8 FSPの機能強化について述べる.
1. OSIV/X8 FSPの特長
OSIV/X8 FSPは以下の特長を有した.
OSIV/X8 FSPは以下の特長を有した.
(1) 使いやすい情報システムの構築
増加し続けるプログラム開発量に対応すべく,エンドユーザ自身で開発がしやすいようにサポートツールが用意された.
増加し続けるプログラム開発量に対応すべく,エンドユーザ自身で開発がしやすいようにサポートツールが用意された.
- 導入および運用な容易なリレーショナルデータベースAIM/RDBの提供と会話型統合ツールINTERACTでAIM/RDBを使用可能とした
(2) 容易な運用
OISIV/X8 FSPでは,システム運用の自動化・省力化を実現するため,新たにカートリッジライブラリ装置 FACOM 6460を加え新しい記憶階層を構成し,従来のAOF (Advanced Operation Facility)をさらに強化した.
OISIV/X8 FSPでは,システム運用の自動化・省力化を実現するため,新たにカートリッジライブラリ装置 FACOM 6460を加え新しい記憶階層を構成し,従来のAOF (Advanced Operation Facility)をさらに強化した.
(3) 新しいネットワークへの対応
当時の第2次回線開放による回線使用制限の大幅緩和に対応としてオフィスシステム構築の根幹としてLANが注目されていた.そこで,OSIV/X8 FSPでは新しいローカルネットワークのサポートとグローバルネットワークをサポートした.
当時の第2次回線開放による回線使用制限の大幅緩和に対応としてオフィスシステム構築の根幹としてLANが注目されていた.そこで,OSIV/X8 FSPでは新しいローカルネットワークのサポートとグローバルネットワークをサポートした.
- 光データハイウェイによる多様なメディアの高速伝送,ディジタル電子交換機による電話,ファクシミリ,データ端末の交換などにより統合されたローカルエリアネットワークの構築を可能とした.
- 基本通信機能NCP-G,VTAM-G MSNFおよび業務処理機能AIM/DTPFの機能強化によりホスト間通信をさらに容易にし,企業内,企業間ネットワークの構築を可能とした
(4) 迅速な開発・保守効率の向上
OSIV/F4 FSPでは,ソフトウェア開発の短期化,および保守効率の向上のための各種ソフトウェア製品の機能を充実させた.
OSIV/F4 FSPでは,ソフトウェア開発の短期化,および保守効率の向上のための各種ソフトウェア製品の機能を充実させた.
2. OSIV/X8 FSPの機能強化
OSIV/X8は,1983年2月の発表後,OSの機能強化や新規ソフトウェアの提供が行われた.下表に主なものを示す.
OSIV/X8は,1983年2月の発表後,OSの機能強化や新規ソフトウェアの提供が行われた.下表に主なものを示す.
発表時期 | 主な特長 | Edition | 提供時期 |
---|---|---|---|
1983年2月 | E20 | 1983月10月 | |
1987年3月 |
・OSIV/X8 FSP機能強化(OSIV/F4 MSP,OSIV/X8 FSP,OSIV/ESPIII共通)
-マルチCPU(4CPU)サポート -国際標準OSIサポート(OCSF) (*1) -統合ネットワーク管理 COMS(*2) |
E20 | 1987年8月 |
- |
・AIM V12の機能強化(OSIV/F4 MSP,OSIV/X8 FSP,OSIV/ESPIII共通)
-表示ファイルのサポート(TSS/AIFとAIMの画面編集処理の統合,FACOM KシリーズおよびFACOM Gシリーズとの共通化) -簡易オンラインおよびオンライン基幹業務のプロトタイピングを実現する AP/EF(*3),AP/DF(*4) -帳票の統合配信サポート APS(*5), -表示ファイル機能を支える高級言語 COBOL85 ・ホストとワークステーションの連携機能 LINKSERV -DSM(*6),DRMS(*7),CJMS(*8),DTS(*9)
|
E20 | 1987年7月〜 1988年3月 |
1990年6月 |
・OSIV/X8 FSP強化
-RDBII,FLCF(*10),TISP(*11),VTAM-G V30 |
E26 | 1990年11月 |
*1 OCSF:OSI Communication Support Facility
*2 COMS:Corporate Network Management System
*3 AP/EF:Application Program Environment/Execution Facility
*4 AP/DF:Application Program Environment/Development Facility
*5 APS:Advanced Printing Subsystem
*6 DSM:Distributed System Mnager
*7 DRMS:Distributed Resource Management Support
*8 CJMS:Computer Network Job Management System
*9 DTS:Data Transfer Service
*10 FLCF:FNA Loose Coupling Facility (FNA:Fujitsu Network Architecture)
*11 TISP:TCP/IP Support Package
*2 COMS:Corporate Network Management System
*3 AP/EF:Application Program Environment/Execution Facility
*4 AP/DF:Application Program Environment/Development Facility
*5 APS:Advanced Printing Subsystem
*6 DSM:Distributed System Mnager
*7 DRMS:Distributed Resource Management Support
*8 CJMS:Computer Network Job Management System
*9 DTS:Data Transfer Service
*10 FLCF:FNA Loose Coupling Facility (FNA:Fujitsu Network Architecture)
*11 TISP:TCP/IP Support Package