日本語情報システムJEF(Japanese processing Extended Feature)は,1979年4月に富士通から発表された.従来,漢字処理には専用システムを必要としたが,既存のシステムにJEFを追加することで,漢字仮名まじりの日本語処理を構築できるという点が高く評価された.これはまさに,日本人のためのコンピュータ時代の幕開けであった.
JEFをサポートする製品として,半導体テクノロジーを駆使して,価格を従来システムの20%高以内に抑えた,日本語ラインプリンタ,日本語ディスプレイ,日本語データエントリーシステムなどが提供された.JEFは,OSによるサポートなどソフトウェアの充実が図られ,超大型システムからオフィスコンピュータ,端末装置まですべてに適用された.また,JEFは単なる漢字処理の枠を越えて,図形やグラフ作成機能も有し,ユーザ本位のシステム開発,使いやすさ,高性能,低価格などが高く評価され,一躍日本語処理システムのブームが起き,他社も相次いで追従した.
1983年2月に,JEFは,文書処理,イメージ処理,音声処理を統合したJEFIIにエンハンスされた.これにより,文書処理機能やイメージ処理機能を有する日本語ディスプレイやグラフやイメージ出力可能な日本語プリンタなどが製品化された.