富士通は,FACOM Mシリーズで,汎用コンピュータのアーキテクチャをIBM S/370アークテクチャをベースとするMシリーズアーキテクチャに変更した.そのため,新たにFACOM Mシリーズ用のオペレーティングシステム(以下OS)として,超大型汎用OS OSIV/F4,性能価格比に優れた大型汎用OS OSIV/X8および中規模業務に最適な中型汎用OS OSIV/F2の3つのOSを開発した.これらのOSは以下の特長を有した.
(1) 各OSに共通な設計思想に基づいて,仮想記憶方式,仮想アクセス方式,FACOM Mシリーズハードウェアに特有なチャネルDAT機構など諸仮想化技法を採用.
(2) 斬新な発想による新時代のデータベース/データコミュニケーションプログラムAIM (Advanced Information Manager)を全OSで導入
(3) FACOM MシリーズOS間の互換性に加えて,同社の現行OSからの上向き互換性や国際互換性を実現
各OSの機能の概要を下表に示す.
OSIV/F4 | OSIV/X8 | OSIV/F2 | ||
---|---|---|---|---|
適用機種 | M-190〜M-160S |
M-190〜M-130 (マルチCPUは未サポート) |
M-180II〜M-130 (マルチCPUは未サポート) |
|
処理形態 | バッチ | ○ | ○ | ○ |
リモートバッチ | ○ | ○ | ○ | |
会話型リモートバッチ | ○ | ○ | *1 | |
TSS | ○ | ○ | *1 | |
DB/DC(AIM) | ○ | ○ | ○ | |
仮想記憶制御 | 方式 | マルチバーチャル | マルチバーチャル | シングルバーチャル |
空間の大きさ (ジョブ多重度) |
16メガバイト (×1536) |
16メガバイト (×256) |
16メガバイト (×5)*2 |
|
CPU DAT | ○ | ○ | ○ | |
チャネルDAT | ○ | ○ | ○ | |
マルチプロセシング | ○ | ○ | - | |
仮想アクセス法 | 仮想記憶アクセス法(VSAM) | ○ | ○ | ○ |
通信アクセス法(VTAM) | ○ | ○ | ○ |
*1:1979年に発表されたOSIV/F2 AIFでサポートされた.
*2:発表当初は最大5個であったが,後に8個,さらに12個へと拡大された.
*2:発表当初は最大5個であったが,後に8個,さらに12個へと拡大された.