- MIOS3
- MIOS3系OSとしては,まず, 1983年,オフィスコンピュータHITACL-30,50シリーズ向けに, 下記の特長を持つMIOS3が開発された.
- (1)対話形による処理実行
- データ処理,グラフ処理,日本語文書処理など,多様な処理を対話形で実行できる.
- (2)日本語による処理形態
- すべての対話処理で多文節かな漢字変換による日本語入力が使える.
- (3)複数のワークステーション間のリソース共有
- L-50システムでは,マスタワークステーションに最大8台のワークステーションを接続して,マスタワークステーションのファイルを共有した業務処理が複数同時に実行できる.また,マスタワークステーションに接続されたプリンタや通信回線を共有することもできる.
- (4)オフィスコンピュータ間の連携
- L-30は,L-50,L-70のワークステーションとして接続でき,また,L-50ワークステーションは,L-70のワークステーションとして接続できる.この接続性により,事業規模の拡大に合わせて,L-30システムからL-50システムへ,L-50システムからL-70システムへと柔軟なアップグレードが可能である.
- MIOS3/ES,MIOS/PC
- 1986年には,オフィスの統合OA実現を支援するHITAC L-30/8,L-50/8シリーズ用のOSとして, 下記の特長を持つMIOS3/ESとMIOS/PCが開発された.
- (1)処理形態の特徴に対応した2種のOS
- 処理形態の特徴に対応したOSとして,定型処理向けの MIOS3/ESに加え,MS-DOS系の豊富な流通ソフトウェアが利用できる非定型処理向け MIOS/PCを備えている.
- (2)ネットワークシステムの構築範囲拡大
- ネットワークシステムの構築範囲拡大に対応して,Lシリーズ間だけでなく,Mシリーズ,他社システムともネットワークシステムの構築が行える.
- (3)システム操作性の向上
- メッセージの日本語化,デュアルジョブ自動起動などにより,システム操作性を向上した.
- MIOS3/ES2
- 1988年には,情報のより戦略的活用を支援する HITAC L-30/8ES,50/8ESシリーズ用のOSとして, MIOS3/ESとMIOS/PCを統合したMIOS3/ES2が開発された.
MIOS3/ES2は,下記の特長を持つ. - (1) 分散処理の実現
- HITAC L-30/8ES,50/8ESシリーズは, HITAC L-70/8ESシリーズのワークステーションとして分散連携処理ができる.
- マイクロメインフレーム結合によってシステムOA処理が実現できる.
マイクロメインフレーム結合の概念については、MIOS7系OSの項に示す. - L-70/8ESシリーズと共通仕様のCCOBOLによりプログラム開発を共通化できる.
- (2)データの統合化
- マイクロメインフレーム結合によるパーソナルデータの統合化ができる.
- (3)基幹業務とOA業務の同時実行
- 基幹業務とOA業務を並行して実行可能であり,使い勝手が向上した.
- MIOS3/AS
- 1989年には,MIOS3系OSの集大成版として,下記オフィスコンピュータ用のOS, MIOS3/ASが開発された
- HITAC L-710,720,730プロセサシリーズ
- HITAC L-710E,720E,730Eプロセサシリーズ
- elles3シリーズ
- MIOS3/ASにより,MIOS3系OSは最終的に下記特長を備えたOSとなった.
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- (1)実行モードとして定型処理対応のMIOS3/OPモードと非定型処理対応のMIOS/PCモードを備えており,多様な業務処理に対応できる.
- (2)伝票発行業務,エントリ業務に適した簡易言語RFD(Record Format Descriptor) および一般事務用言語COBOLを使用でき,目的に応じたユーザプログラムが作成できる.
RFDの概要については,初期のオフコンOSの項を参照のこと. - (3)カタログドプロシージャ,メニュー選択機能などにより,プログラムの実行制御を定形化し,オペレーションの単純化を図ることができる.
- (4)日本語入力機能により,漢字入力ができる.
- (5)2つのプログラムを同時実行できるデュアルジョブ機能を持つ.
- (6)テキストエディタ,マップ定義,ソートマージなど豊かなユティリティを使用できる.
- (7)マルチワークステーションシステムを構築できる.
- (8)リモートワークステーションシステムを構築できる.
- (9)アプリケーション間通信,ファイル伝送など強力な回線ユティリティを使用でき,チェーンストア協会仕様手順,全銀協パソコンプロトコルなど支援プロトコルも豊富である.