当コンピュータ博物館には我が国コンピュータ発展史上の重要な研究開発成果や製品などが多数掲載されていますが、それらは全てバーチャルな展示であり、かならずしも対応した実物が現存するわけではありません。むしろ、その大半はすでに廃棄されて、実物が存在しないのです。しかも、現存しているものも日に日に失われていっております。これらを収容・展示できるような実博物館の実現を目指しておりますが、現在のところ見通しは暗いというのが実情です。
そのような厳しい現実の中で、現存している貴重な実物の保存努力に敬意を表し、今後の継続をお願いするために情報処理学会では情報処理技術遺産認定制度をはじめました。これによって、貴重な資料の存在が広く社会に知られ、関心が高まることを期待しております。
ここには、認定された情報処理技術遺産が掲載されております。原則としてこれらは見学が可能ですが、常時、一般公開されてはいないものもあり、個々に事情がことなります。見学希望の際はそれぞれの窓口にお問い合わせ下さい。
なお、情報処理技術遺産は現状に限定されるものではなく、今後も追加していく計画です。
2009年3月2日
情報処理学会 歴史特別委員会
委員長 発田 弘