【富士通】 FM16β(エフエム イチロク ベータ)

富士通のビジネス用16ビットパソコン.富士通FMシリーズの最初の16ビット パソコンFM-11EX(1982年11月発表),その改良機FM-11BS(1984年2月発表)の後継機として1984年12月にFDタイプとHDタイプの2種のタイプが発表された.これらは,以下の特徴を持つ.

(1) 他社に先駆けて80186(クロック周波数8MHz)を搭載した高性能・低価格パソコン
(2) 256キロビットDRAM採用により512KBの大容量メモリを標準装備(最大1メガバイト)
(3) グラフィック用カスタムLSIの採用により従来のソフトウェア処理に対して約30倍の描画速度を実現
(4) JIS第1水準に加え第2水準の漢字ROMを標準装備(非漢字を含め6,802種標準装備)
(5) 1MBの5インチミニフロッピィディスクを2台搭載したFDタイプと,1MBミニフロッピィディスクを1台と10MBのハードディスクを搭載したHDタイプの2タイプを提供
(6) 日本語入力の効率をアップする2種類のキーボードを提供(親指の位置に変換キーを搭載したJISキーボードと親指シフトキーボード)
(7) OSは日本語を強化したCP/M-86,日本語MS-DOSおよび286XENIX(発表時はCP/M-86のみ利用可)
(8) FM-11とはBASICレベルでの互換性を確保

後に,80286(クロック周波数 8MHz)の搭載モデルFM16βFDII/HDIIが追加された(1986年発表).その後のFM Rシリーズへと展開された.

また,ビジネス用としてはデスクトップ形のFM16βのほかに,A4サイズのポータブル機FM16π(エフエム イチロク パイ) があった.

FM16β諸元
  FM16β FD,HD FM16β FDI,HDI FM16β FDII,HDII
発表時期 1984年12月 1986年2月
CPU メイン部(クロック周波数) 80186 (8MHz) 80186 (8MHz)
8087 (オプション)
(80286カードオプション)
80286 (8MHz)
80287 (オプション)
サブ部 68B09E
RAM メインメモリ 512KB〜1MB 1MB 1〜3MB
グラフィックVRAM 192KB
日本語表示 40字×25行
漢字ROM JIS非漢字453種,JIS第1水準漢字2965種,JIS第2水準漢字3384種(標準装備)
グラフィック表示 640×400ドット,2画面,16色中8色指定
内蔵フロッピーディスク FDタイプ:5inch 1MB×2
HDタイプ: 5 inch 1MB×1
FDIタイプ:5 inch 1MB×2
HDIタイプ: 5 inch 1MB×1
FDIIタイプ:5 inch 1MB×2
HDIIタイプ: 5 inch 1MB×1
内蔵ハードディスク HDタイプ:10MB×1 HDIタイプ:10MB×1 HDIIタイプ:10MB×1
OS
  • 日本語CP/M-86
  • MS-DOS V3.1(発表時はなし,後にサポート)
  • 日本語CP/M-86
  • MS-DOS V2.1
  • MS-DOS V3.1
  • 日本語CP/M-86
  • MS-DOS V3.1
  • 286XENIX

  
FM16β