【富士通】 FM16π(エフエム イチロク パイ)

富士通のA4サイズのビジネス用ポータブル機.1985年4月に発表された.これは,以下の特徴を持つ.

(1) A4サイズのポータブル機(幅29.7cm,奥行21.0cm,2.9kgの軽さ)
(2) 消費電力が少ないCMOS型16ビットCPU(80C86)の採用
  (AC100V,NiCdバッテリー,カーバッテリーの3電源で使用可)
(3) 漢字440字(40字×11行) 非漢字2000文字表示可能な大画面(640×200ドット)液晶
(4) 大容量メモリを搭載(主記憶 128/288/448キロバイト,OS CP/M-86と辞書等用 384キロバイトのCMOSマスクROM)
(5) JIS第1水準漢字ROM (JIS非漢字453種,JIS第1水準漢字2965種) 標準装備
(6) 基本ソフトウェアとしてBASIC版とCOBOL版がROMカートリッジで提供
(7) 補助記憶用にマイクロカセットを標準装備

当時としては画期的なコンセプトのもとに開発され,後のラップトップ機の先駆をなす製品であったが,製品化時期が早過ぎたのとOSがCP/M-86であったため,データ入力などの特定分野での利用にとどまった.


  
FM16π