富士通のPCサーバ.富士通はネットワークコンピューティングのミッドレンジサーバを「GRANPOWER(グランパワー)」の名称で統一し(注1),PCサーバをGRANPOWER5000シリーズとした.FUJITSU GRANPOWER5000モデル760は,新名称「GRANPOWER5000」を採用した最初のサーバとして1996年10月に富士通から発表された.FUJITSU GRANPOWER5000モデル760は以下の特徴を持つ.
- (1) 先進ハードウェア技術
- 512キロバイトの二次キャッシュを内蔵した,インテル社の PentiumPro(200MHz)を標準で2個搭載.PCI(注2)バス2本用意.最大200MB/sの転送速度を持つFAST/Wide SCSI-2(注3)を標準装備,等.
- (2) 高信頼性
- サーバの動作状況の監視や異常発生時の通知機能など,サーバの集中監視機能を実現するサーバ管理ツールSMM(Server Monitor Module)を標準搭載.ディスクアレイ機構のサポート,等.
- (3) 拡張性
- 主記憶は64メガバイトから1ギガバイトまで増設拡大が可能.磁気ディスクは本体内のハードディスクベイ12個に加え,拡張筺体(1台あたり7ベイ)を2台まで増設可能.それにより,本体内で109ギガバイトまで,外付けを含め最大236ギガバイトまで増設できる.
- (注1)PCサーバ:GRANPOWER5000,オフィスコンピュータ:GRANPOWER6000,UNIXサーバ:GRANPOWER7000.
- (注2)PCI(Peripheral Component Interconnect):プロセッサのバス規格の一種.PC標準のISA (Industry Standard Architecture)バスを代替するバスの高速化を図って規格化.
- (注3)SCSI(Small Computer System Interface):コンピュータと周辺機器を接続するインタフェース規格の一種.パラレルインターフェース仕様をとる.
モデル名 | 160 | 270 | 560S | 570 | 760 |
---|---|---|---|---|---|
発表時期 | 1997年5月 | 1996年10月 | |||
CPU | PentiumPro (200MHz) |
PentiumII (266MHz) |
PentiumPro (200MHz) |
PentiumPro (200MHz) |
PentiumPro (200MHz) |
CPU数 | 1 | 1〜2 | 1〜4 | 1〜4 | 2〜4 |
最大主記憶容量 | 256MB | 512MB | 1GB | 4GB | 1GB |
最大ディスク容量 | 17GB | 34GB | 54GB | 81GB | 109GB |
OS | Microsoft WindowsNT Server,NetWare | ||||
その他 |
|
以上の諸元は発表時のもので,その後の改良で変更されている場合がある.
なお,FUJITSU GRANPOWER5000シリーズは,次シリーズ「FUJITSU PRIMERGY」の発表(2000年5月)まで継続的にエンハンスされ,モデル構成も多様化している.