【富士通】 FUJITSU GRANPOWER7000シリーズ

富士通とPFUが開発した高性能64ビットUNIXサーバ. 64ビットRISC(注1)プロセッサにUltraSPARC(注2)を使用. DS/90 7000シリーズの後継機として, 1997年1月に富士通とPFUから共同発表された.当時,富士通はPCサーバ(GRANPOWER5000),オフコン(GRANPOWER6000)を含めたGRANPOWERシリーズの第二弾として発表された.
 高性能な64ビットRISCプロセッサUltraSPARC(150MHz〜250MHz)を採用.UNIXサーバが企業のミッションクリティカルな用途に及ぶ時代の流れの中で,高性能化と高信頼化に重点が置かれた.FUJITSU GRANPOWER7000シリーズは以下の特徴を持つ.

(1) 高いトランザクション性能
64ビットのUltraSPARCの採用に加え,新たに開発された高性能クロスバースイッチにより,高速メモリアクセスおよびシステムバスの高スループットを実現(転送速度5.2ギガバイト/秒).
(2) 高度な信頼性
システムの耐故障性の向上として以下を装備.
・磁気ディスクの2重化,電源や冷却ファンの冗長構成.
・磁気ディスク,内蔵テープ装置,電源および冷却ファンの活性交換(システム運転状態での交換)機能.
・プロセッサ,メモリ,I/Oバスの縮退運転(故障部分切り離し運用)機能.
また,独立したプロセッサがハードウェア異常を自動検出し,警告するSCF(System Control Facility)機能や次のようなクラスタシステム対応による可用性の強化が図られた.
・最大8台のサーバをLAN接続し,1台のサーバの異常時には他のサーバ群が業務を引き継ぐ.
(注1)RISC(Reduced Instraction Set Computer): 縮小命令セットコンピュータ.
(注2)SPARC: SPARC INTERNATIONALが定めるプロセッサ規格.
FUJITSU GRANPOWER7000シリーズ 諸元
モデル名 50 200 400 600
発表時期 1997年1月 1997年6月 1997年1月
CPU hyperSPARC
(150MHz)
UltraSPARC
(167/250MHz)
UltraSPARC
(250MHz)
UltraSPARC
(250MHz)
CPU数 1〜2 1〜2 1〜4 2〜8
主記憶容量 32MB〜512MB 32MB〜4GB 64MB〜4GB 128MB〜8GB
最大ディスク容量 55GB 3TB 6TB 12TB
OS UXP/DS
その他
  • FUJITSU DS/90 7000シリーズに対し完全互換
  • 64ビット化にUXP/DS(OS)も対応した完全64ビット化
  • 富士通製データベース管理システムSymfowareと組み合わせて,
    2CPUモデルで5,738.30tpmC(*1)の世界トップクラスの性能を実現

(*1)tpmC:性能測定モデルTPC-C(*2)における分あたりのトランザクション数を示す単位.発表当時は4,718.73tpmCだったが,年内に5,738.30tpmCにチューンアップされた.

(*2)TPC-C:TPCはTransaction Processing Performance Councilの略称.TPC-A,TPC-Bなど,用途に則した性能測定モデルを策定している.TPC-Cはそのモデルの1つで当時多く利用された.

以上の諸元は発表時のもので,その後の改良で変更されている.また,モデルのバリエーションも様々に追加されている.


 
FUJITSU GRANPOWER7000モデル50FUJITSU GRANPOWER7000モデル600