【富士通】 FUJITSU DS/90 7000シリーズ

富士通のUNIXサーバおよびワークステーション.RISC(注1)プロセッサSPARC(注2)を搭載した初の富士通製UNIX機として,新たに開発されたオペレーティングシステム(OS)「UXP/DS」とともに,1991年9月に富士通とPFUから発表された. UXP/DSはUNIXオペレーティングシステム(OS)の世界標準であるSystem V Release4(SVR4.注3)に準拠した富士通製のOSである.
それまでエンジニアリング分野での利用が中心であったUNIXシステムは,当時ビジネス分野での利用が高まってきていた.そういった時代背景から,FUJITSU DS/90 7000シリーズはワークステーションからサーバまで一貫したUNIXシステムのシリーズ化が図られた.DS/90 7000シリーズは以下の特徴を持つ.

(1) ラップトップワークステーションから大型サーバまで幅広い価格性能レンジをカバー
(2) 標準仕様の採用
最新のSystem V Release4(SVR4.注3)仕様を採用したOS,SPARCチップの採用,など.
(3) 省電力,低コスト化 (ワークステーションモデル)
整数演算処理ユニット(IU)と浮動小数点演算処理ユニット(FPU)を1チップに内蔵
(4) 高性能化,高信頼化 (サーバモデル)
  • マルチプロセッサ,高速I/Oバス
  • 二重化システム構成を可能にする二重化切替装置(主システムと副シスエムの切替)
  • RAID3レベル(注4)のディスクアレイ装置(F7956B1)のサポート
(注1)RISC(Reduced Instruction Set Computer): 縮小命令セットコンピュータ.
(注2)SPARC: SPARC INTERNATIONALが定めるプロセッサ規格.
(注3)System V Release4(SVR4): UNIX System Laboratories Inc.が定めるUNIX標準仕様. 米国AT&Tが開発したUNIX「System V」が基になっている.
(注4)RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks):複数台のディスクを1台に見せる技術であり,RAIDのレベルによって,性能,信頼性要求に対応する.RAID3レベルは低コストで信頼性を高める技術.

1995年5月にFUJITSU DS/90 7000シリーズの最上位モデルDS/90 7800E,7900Eが発表されている.

FUJITSU DS/90 7000シリーズ サーバモデル(DSserver) 諸元
モデル名 7530 7630 7730/7732 7830/7832
発表時期 1991年9月
形状 デスク
トップ
小型デスク
サイド
デスク
サイド
ラック
マウント
プロセッサ SPARC
(40MHz)
CPU数 1 1または2
メモリ容量 最大96MB 最大128MB 最大256MB 最大512MB
I/O
バス
バス種 S Bus VME Bus/HSIO Bus(*1)
内蔵スロット数 5 4 6 12
OS UXP/DS
FUJITSU DS/90 7000シリーズ ワークステーションモデル(DSstation) 諸元
モデル名 7110 7220
発表時期 1991年9月
形状 ラップ
トップ
デスク
トップ
プロセッサ SPARC
(25MHz)
SPARC
(33MHz)
CPU数 1
メモリ容量 最大48MB 最大96MB
I/O
バス
バス種 S Bus
内蔵スロット数 1 5
OS UXP/DS

(*1)VMEBusは16ビット/32ビットマイクロプロセサの標準バス.HSIOBusはオプションの高速I/Oバスであり,64ビット+8ビットパリティ構成で伝送速度200MB/sを実現.

以上の諸元は発表時のもので,その後の改良で変更されている場合がある.
FUJITSU DS/90 DSstation手前がワークステーションモデルPFU DS/90 7530FUJITSU DS/90 7630
  
FUJITSU DS/90 7830