【富士通】 FUJITSU GRANPOWER6000シリーズ

FUJITSU K6000αシリーズの後継となる富士通のオフィスコンピュータ.大幅な価格性能比の向上とネットワークコンピューティングへの対応力を強化した新ビジネスサーバとして,1997年5月に富士通から発表された.従来の富士通のオフコン「Kシリーズ」の資産を完全に継承を図りつつ,4モデル中3モデルに新たにインテル社のプロセッサを採用するという新たな取り組みが行われた.また,この年から,富士通はネットワークコンピューティングのミッドレンジサーバを「GRANPOWER(グランパワー)」の名称で統一した(注1).FUJITSU GRANPOWER6000シリーズは以下の特徴を持つ.

(1) 価格性能比を最大3.5倍向上(同社比)したラインアップ
エントリ機〜中位機(モデル300,500,700)にインテル社のPentiumPROを,上位機(モデル900)には64ビットRISCプロセッサ(注2)を搭載し,価格性能比を最大3.5倍,平均2.5倍させた.
(2) ネットワークコンピューティングへの対応
インターネットを含むネットワーク対応強化のために,当時最新の分散システム構築技術であったCORBA(注3)への対応やJAVA(注4)への対応など,ソフトウェア面が強化された.
(3) 富士通のオフコン「Kシリーズ」資産の完全継承
PentiumPROの採用に伴うプロセッサ非互換を取り除くため,Kシリーズアプリケーションをバイナリレベルで実行させるマイクロカーネル(注5)が用意された.
(注1)PCサーバ:GRANPOWER5000,オフィスコンピュータ:GRANPOWER6000,
UNIXサーバ:GRANPOWER7000.
(注2)RISC(Reduced Instraction Set Computer): 縮小命令セットコンピュータ.
(注3)CORBA(Common Object Request Broaker Architecture):オブジェクト指向の分散システム構築アーキテクチャおよび関連技術.
(注4)JAVA:サンマイクロシステムズが開発したプログラミング言語.簡易性,オブジェクト指向性,プラットフォーム無依存性を特徴とする.ネットワーク環境での利用性に優れる.
(注5)マイクロカーネル:OSの下位層にあり,極めて基本的な機能を担うソフトウェア.
FUJITSU GRANPOWER6000シリーズ 諸元
モデル名 300 500 700 900
タイプ I/II I/II/III I/II/III I/II/III/IV
発表時期 1997年5月
CPU PentiumPRO
(200MHz)
64ビットRISCプロセッサ(*1)
CPU数 1 1〜2 1〜4 1〜4
主記憶容量 32MB〜
128MB
64MB〜
256MB
256MB〜
512MB
ディスク容量 2GB〜40GB 2GB〜50GB 8GB〜268.6GB 8GB〜292.4GB
OS ASP V10
その他
  • 300〜700のモデルにIntelのプロセッサを採用
  • Intelプロセサ採用の機種を含め,全機種でFUJITSU Kシリーズの
    既存アプリケーションの動作を保証
  • ミラードディスクやUPS(無停止電源装置)の標準装備などを
    FUJITS K6000αシリーズから継承

以上の諸元は発表時のもので,その後の改良で変更されている場合がある.


FUJITSU GRANPOWER6000モデル300FUJITSU GRANPOWER6000モデル900タイプI/IIFUJITSU GRANPOWER6000モデル900タイプIII/IV