富士通のPCサーバ.富士通は2000年5月メインフレームからPCサーバまで,全てのサーバのブランドの全世界統一を目指して一新した(注1).PRIMERGYはGRANPOWER5000を引き継ぐ富士通のPCサーバの新たなブランド.インターネット時代を意識したIAサーバ(注2)として,「FUJITSU PRIMERGY ES200,ES210,ES280,ES310,ES380,MS380,MS410,TS110」の全7モデルがPRIMERGYの最初のモデル群として,2000年5月に富士通から発表された.このとき発表されたFUJITSU PRIMERGYのモデルは以下の特徴をもつ.
- (1) インターネットサーバの容易な追加等,システム拡張ニーズへ柔軟に対応
- 高さ1U(約4.4cm)の薄型ラックマウントサーバモデル「TS110」をラインアップ.WWWサーバやPROXYサーバ等への適用にて,省スペースでの拡張性を実現.
- (2) 最新テクノロジーの採用によりシステム全体のスループットを向上
- インテル社のPentiumIIIプロセッサ(866MHz),133MHzに高速化したFSB(フロント・サイド・バス),2系統メモリバスを実現する「デュアル・メモリバス・アーキテクチャ」,転送速度160MB/sの「Ultra160 SCSI」(注3)を採用.
- (3) 耐障害機能の追求により,拡大するネットビジネスを支える最新インフラを提供
- アベイラビリティ向上
ハードディスクベイ,冗長電源機能および冗長ファンのホットプラグ対応,ホットプラグ対応のPCIスロット,等
- マネジメントパネル
独自のハードウェア管理専用プロセッサを実装したIMP(Integrated Management Panel)
- 高速故障診断機能
故障検出対象のユニットや部品の範囲を拡大したFRD2(Fast Reliable Diagnosis2).サーバ前面のLCDに約200種類のエラーメッセージを表示.迅速なエラー解析および故障部品の識別が可能.
- 予防保守機能
故障予測機能,定期交換が必要な部品の管理機能を持つPMA2(Preventative Maintenance Alerting2)
- 自動再起動機能
サーバ運用中あるいはシステムブート中のハングアップを自動再起動機能ASR2(Auto Server Restart2)
- アベイラビリティ向上
- (注1)PCサーバ:PRIMERGY,オフィスコンピュータ:PRIMERGY6000,UNIXサーバ:PRIMEPOWER
- (注2)IA:Intel Architecture
- (注3)SCSI(Small Computer System Interface): 本体と磁気ディスク等の周辺機との接続方法の規格
モデル名 | ES200 | ES210 | ES280 | ES310 | MS380 | MS410 | TS110 |
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発表時期 | 2000年5月 | ||||||
位置付け | エントリ サーバ |
ミッドレンジ サーバ |
ラックマウント | ||||
CPU | PentiumIII | ||||||
600MHz | 600MHz/ 700MHz/ 850MHz |
600MHz/ 700MHz/ 750MHz/ 800MHz |
733MHz/ 800MHz/ 866MHz |
600MHz/ 700MHz/ 800MHz/ 850MHz |
733MHz/ 800MHz/ 866MHz |
650MHz | |
又は Celeron 500MHz |
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最大Way数(*1) | 1 | 2 | 1 | ||||
最大主記憶容量 | 768MB | 1GB | 4GB | 2GB | 4GB | 1GB | |
ディスク 容量 |
77.2GB | 72.8GB | 91GB | 145.6GB | 291.2GB | 13.6GB | |
OS | Microsoft Windows2000 Server,Linux | ||||||
その他 |
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(*1)Way数はCPU数に相当.
以上の諸元は発表時のもので,その後の改良で変更されている場合がある
なお,FUJITSU PRIMERGYは,2000年5月の発表以降,継続的にエンハンスされており,モデル構成も多様化している.