富士通の小型機FACOM Vシリーズ用に開発された小形で低速のラインプリンタ装置で,1977年9月に完成した.
1970年代後半からの小型システムの普及に伴い,プリンタ装置の一層の小形化と低価格化が求められていた.そこで,同社は従来の活字ドラムとは異なる活字ベルト方式(別名スチールバンド方式または単にバンド方式とも呼ばれている)を採用したFACOM 655を開発した.本装置では,印字機構として新開発の活字ベルトと印字マグネットを採用,紙送り機構には小形で強力なパルスモータを使用して装置全体の小形軽量化を図ると共に,優れた印字品質を実現した.
また,1980年3月には,コストパフォーマンスの優れた,交換可能な活字ベルトを採用したFACOM 6733A/Bが開発され,同社の小型機FACOM Vシリーズ(V-830/850など),中型のメインフレームFACOM M-310/320/340など)やミニコンピュータPANAFACOM U-1000シリーズなど,幅広く使用された.本装置では,2種類の標準の活字ベルトが用意され,オペレータが印刷内容に応じて,容易に活字ベルトを交換できた.
1985年には,富士通の活字ベルト方式で最高速の印刷速度を有する1,300行/分のFACOM 6731Dが完成した.その後,高速化が図られたドットマトリック式ラインの展開のより,FACOM 6731Dが活字式の最後のラインプリンタとなった.
FACOM 655A/B | FACOM 6733A/B | FACOM 6731D | |
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完成時期 | 1977年9月 | 1980年3月 | 1985年 |
印刷方式 | 活字ベルト方式 |
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印刷速度 | FACOM 655A: 340行/分 FACOM 655B: 230行/分 |
62字種: 670行/分 109字種: 390行/分 |
62字種: 1,300行/分 109字種: 760行/分 |
文字種 | FACOM 655A: 62字種 FACOM 655B: 109字種 |
62字種,109字種 | |
印字桁数 | 136桁/行 | 132桁/行,136桁/行 | |
主要接続機種 |