沖電気は1984年5月17日にキャリングタイプの日本語ワードプロセッサ「Lettermate8」を発表した.
Lettermate8は,既存のLettermate800,150,85のローエンド機として位置付け,次の特長を有するものであった.
<Lettermate8の特長>
- (1) 手軽に持ち運びが可能なキャリングタイプ
- キーボードの蓋を閉めるとコンパクトサイズになり,どこへでも持ち運びが可能であり,また収納も容易
- (2) オールインワンタイプ
- 本体,表示部,プリンタ,フロッピーディスクおよびキーボードが一体化された超小型のオールインワンタイプで,各部の接続は不要であった
- (3) かな/ローマ字入力方式と文節単位の漢字変換
- 入力方式は,かな漢字自動変換方式とローマ字漢字自動変換方式とがあり,いずれも文節単位の変換方式であった
- (4) 高度な編集機能
- 均等割付け機能や差込み機能など高度な編集機能をサポートしていた
- (5) 感熱転写プリンタ搭載
- 無騒音印刷を実現し,高速印字速度(30字/秒)を実現した
- (6) 画期的なHELP機能
- (7) 文書ファイルの互換性
- 上位のLettermate85とのファイルの互換性を有していた
Lettermate8 | |||
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入力 | 入力方式 | かな漢字自動変換方式およびローマ字漢字自動変換方式 | |
辞書 | 基本辞書 約30,000語,ユーザ辞書 約3,000語 | ||
使用可能文字種 |
3,418文字 外字120文字 JIS第二水準文字はパターンファイルで提供し外字として利用可能 |
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表示部 | 表示方式 | 液晶 40字×2行(縦・横スクロール可能) | |
表示パターン | 16×15ドットマトリックス,レイアウト表示可 | ||
出力部 | 印字方式 | 熱転写方式 | |
印字速度 | 約30字/秒 | ||
文字サイズ | 3.5×3.5mm 他に倍角あり | ||
文字パターン | 24×24ドットマトリックス | ||
行最大文字数 | 59文字 | ||
用紙 | B5,A4,10インチ幅連続用紙 | ||
ファイル部 |
5インチ両面倍密度フロッピーディスク×1デッキ 約30文書/枚 収容 |
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編集・校正機能 | 字下げ,枠空け,行末揃え,センタリング,均等割付け,アンダーライン,タブ,桁揃え,行ピッチ変更,文字間隔設定,半改行,削除,挿入,訂正,移動,複写,検索,作表,差込み,禁則処理 | ||
その他の機能 | 文書名リスト表示・印刷,外字作成,ユーザ単語登録 | ||
規格とサイズ | 使用電源・消費電力 | AC100V 50/60Hz,約50W | |
外形寸法 | W380×D491×H145mm | ||
重量 | 約8.5Kg |