沖電気はレターメイト80の上位機として1982年2月にCRTディスプレイを使用した日本語ワードプロセッサLettermate800を発表した.本機は,通常のワードプロセッサ機能のほかに,グラフ機能,演算機能,通信機能も装備したものであった.これらにより,罫線による作表,図形を含む文書の作成が可能となり,通信機能の利用による電子メールも可能であった.
主な特徴は次の通りである.
- (1)図形(グラフ)の表示及び印刷が可能なために,ワードプロセッサの応用範囲が拡大することができる
- (2)文書の縦書き表示が可能なために,辞令・組織図・登記書などの作成がしやすい
- (3)科学論文などに必須なスクリプト(添字)の機能を持っているため,一般事務分野以外にも応用ができる
- (4)計算機能があるために,見積書,貸借対照表,統計表などの作成が効率的にできる
- (5)レイアウト表示が可能なために,印刷前に文書の印刷フォーマットの全体像を確認できる
- (6)日本語ワードプロセッサ同士の相互通信が可能なために,遠隔地にある支社や事務所で迅速に,しかも正式文書として同一文書の発行ができる
- (7)ワードプロセッサの利用効率を高めるため,オートカットシートフィーダ(自動用紙搬送装置)がオプションとして利用可能
- (8)キーボードとディスプレイの位置関係は,人間工学を重視した設計.視線の動きや首振り角度を最小限に抑え,疲労を大きく軽減する
- (9)本体はオフィスになじみやすいデスクスタイル.OA化を指向するオフィスづくりにマッチした省スペースタイプ.未使用時には鍵盤(入力部)を本体へ収納し,事務机となる
入力部 | 方式 | ペンタッチ型全文字配列方式 |
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扱い文字種 | 6,895文字(漢字,英数字,カナ文字,記号) | |
盤面文字 |
3,327文字(JIS第一水準,英数カナ文字) JIS第二水準はコード入力,外字は360文字 |
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常用句 | 248件 | |
表示部 | 表示画面 | 14inchCRT,41字/行×18行 |
画面操作 | スクロール(縦,横),画面切替 | |
表示 | 文字,アンダーライン,作表,グラフ(棒,帯,折線,円グラフ) | |
処理部 | 作成・編集校正機能 | アンダーライン,センタリング,行末揃え,字下げ,枠空け,タブ,桁揃え,訂正,挿入,削除,検索,置換,移動,複写,切貼り,同文レター,マージ(自動差込み),作表,図形(グラフ),レイアウト表示,禁則処理 など |
通信機能(オプション) |
通信回線:公衆通信回線 通信方式:半二重方式 |
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ユーティリティ |
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ファイル部 |
8inch両面倍密度フロッピーディスク A4文書換算 約120ページ |
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プリンタ | 印字方式 | ワイヤドットインパクト方式 |
文字構成 | 24×24ドットマトリックス基本 | |
文字サイズ | 5号活字相当基本,ほかに小文字,平体文字,大文字 | |
書体 | 明朝体 | |
印字速度 | 40字/s | |
間隔 | 文字間隔 6種 行間隔 11種 | |
行印字数 | 最大75文字/行 | |
用紙 | B5,A4,B4,連続紙最大16inch幅(オプション) | |
複写枚数 | 3枚 | |
その他 | ピントラクタフィードユニット,オートカットシートフィーダ | |
その他 | 本体寸法 | W800mm×D700mm×H700mm |
電源 | AC100V±10% | |
消費電力 | 約0.45KVA | |
環境条件 | 温度 10℃〜35℃ 湿度30〜80%RH |