【日立】 VOS1

日立製作所の汎用機シリーズ,HITAC Mシリーズの下位機種用OSで,1975年9月に出荷開始したVOS2に次いで,Mシリーズ第2弾のOSであった.センセーショナルミディと呼ばれたHITAC 8250 NDOSの後継OSとして,Mシリーズの小,中規模ユーザを主対象として開発した.

VOS1は1975年10月発表,1976年6月から出荷を開始した.

VOS1はNDOSの技術を基礎に仮想記憶機能,仮想記憶アクセス法VSAMをサポートしており,以下に示す特長があった.

1.多種多様な利用形態をサポート
バッチ処理,オンライン処理,リモートバッチ処理(RMT)およびリモートバッチ端末処理(RESP)の利用が可能.特にRMTとRESPを組み合わせることにより,親?子?孫という形のリモートバッチネットワークシステムの建設が可能.

2.操作性の向上
オペレータの操作手順の簡略化,プログラマのパラメタ準備の省力化のためにオペレータコマンドの省略形,AVR(自動ボリューム認識機能),グループ名指定による装置割当てなどをサポート.

3.センタ運営機能の強化
出力ライタ,課金機能などに対するユーザオウンコーディング,CPU使用時間などによるジョブの強制打ち切り等により,個々のセンタの状況に合わせたセンタ運営が可能.

4.充実した言語プロセッサ
アセンブラ,拡張RPG,拡張COBOL,拡張FORTRAN,実行型FORTRAN,最適化PL/Iの6種の言語プロセサに加え,NDOSからの移行用言語プロセサ4種を用意.

5.信頼性の向上
ハードウェア障害の発生に備えて,DDR(動的装置再構成),SYSRESスワップ機能,メモリ障害時のページ切り離し機能等の信頼性向上策を実施.

6.優れた移行性
NDOSからの移行性,およびMシリーズ上位OSであるVOS2への移行性を配慮しており,プログラム修正を殆どせず,移行可能であった.

図-1にVOS1の構成図を示す.


 
VOS1のマニュアルの表紙VOS1のマニュアルの記述例