VOS2は日立製作所の汎用機シリーズ,HITAC Mシリーズ用の最初のOSであった.VOS2は最大16MBの仮想記憶装置,新しい仮想記憶アクセス法,制御プログラムを中心とした実時間処理機能,拡充された言語プロセサ等を具備していた.
図-1にVOS2のシステム構成を示す.
VOS2は日立製作所の汎用機シリーズ,HITAC Mシリーズ用の最初のOSであった.VOS2は最大16MBの仮想記憶装置,新しい仮想記憶アクセス法,制御プログラムを中心とした実時間処理機能,拡充された言語プロセサ等を具備していた.
図-1にVOS2のシステム構成を示す.
VOS2は1974年11月発表,1975年9月から出荷を開始した.
VOS2は中,大型用OSとして以下のような特長があった.
特長 | 説明 |
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仮想記憶機能の採用 | 仮想記憶機能によりメモリ量の制約が緩和されるためにプログラムの作成,保守が容易になり,また融通性のあるセンタ運営が可能となる |
DB/DC機能の拡充 |
DB/DC用プログラムと一体となってシステムとしてDB/DC機能を拡充.特に実時間処理用として以下の機能を用意
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オンラインリアルタイム処理向けの機能が完備 | オンラインコントロールプログラムTCS,TMSをサポートし,制御プログラムの処理能力を向上,障害対策を強化 |
多重ジョブ処理機能の拡充 |
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プログラムの常駐化と共用機能 | アクセス法ルーチン,非常駐SVCルーチン,非常駐エラー回復ルーチン,再入可能なユーザプログラムなどを仮想記憶装置,あるいは実記憶装置に常駐させ,システム内のすべてのジョブでの共用使用を可能とする機能 |
仮想記憶アクセス法VSAM | 装置からの独立性を大きな特徴とする新しいアクセス法.レコードが入力された順にアクセスするエントリ順アクセスと,レコードが持つキーによってアクセスするキー順アクセスの2種がある |
言語プロセッサの拡充 |
市場からの多様な要求に呼応して言語プロセッサを拡充.1つのプログラミング言語にも用途に応じて複数プロセッサを用意
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RAS機能の強化 | 命令の再試行,障害ページの切り離し,チャネル障害に対する交代パスによる再試行,入出力障害に対する装置の動的再構成機能を用意.発生障害はすべて特定データセットにログアウトし,保守用資料として利用 |
8000シリーズからの移行用プログラムの充実 | 8000シリーズからの移行を容易にするため,DOS/EDOS/EDOS-MSO用エミュレータ,アセンブラトランスレータ,COBOLコンバータ等を用意 |
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