富士通のオフィスコンピュータで,FACOM K-200シリーズRモデルの後継機.1988年10月に,90年代の企業経営における「戦略経営のパートナー」としてFACOM K-600シリ−ズ4モデルグループ9機種(K-610,K-630モデル10および20,K-650モデル10,20および30,K-670モデル10,20および30)が発表された.このFACOM K-600シリーズは以下の特長を有した.
- (1)「戦略経営のパートナー」として4つの支援コンセプトを確立
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- エクステンション支援(幅広い性能レンジをカバー,フィールドアップグレード,垂直水平連携)
- アプリケーション支援(蓄積した業務・業種アプリ 380種,15個所のアプリケーションランドによるサポート,意思決定支援システムDSS)
- 開発支援(分散開発,高生産ツール「CASET」「YPS」,RDBとSQL)
- カスタマー支援(新商品情報やセミナ,イベントなど最新情報の提供)
- (2)従来のFACOM Kシリーズでは2種あったオペレーティングシステム(簡易指向のCSP/F3と高機能指向のCSP/F5)を,両者の特性を持たせたCSP/FXに統合
- メインフレームホストやワークステーションとの連携性・整合性を強化
- (3)最上位機K-670に2CPUによる対称型マルチプロセッサを採用
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- システム性能 従来比 2倍向上(K-310R対K-670/30比)
- (4)仮想記憶空間および実記憶空間を従来機の2倍に拡張(K-310R対K-670比)
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- 仮想記憶空間 64MB→128MB(後のK-670/40で250MB,K-690で384MBへ拡大)
- 実記憶空間 31MB→64MB
- (5)実メモリの一部をディスク領域として使用する高速ディスクバッファによりディスクアクセス性能を大幅に向上
翌年の1989年5月には,3CPU搭載のFACOM K-670モデル40が追加され,オフィスコンピュータの性能カバーレンジを拡大した.本シリーズは,FUJITSU K-600Siシリーズへと展開された.
機種名 | K-610 |
K-630 モデル10,20 |
K-650 モデル10,20,30 |
K-670 モデル10,20,30,40 |
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発表時期 | 1988年10月(K-670モデル40は1989年5月発表) | |||
主記憶容量 (MB) |
4MB |
モデル10:4MB モデル20:6MB |
モデル10:10MB モデル20:11MB モデル30:19MB |
モデル10:24MB モデル20:48MB モデル30:64MB モデル40:64MB |
最大内蔵ディスク容量 | 172MB |
モデル10:216MB モデル20:520MB |
モデル10:1.1GB モデル20:1.6GB モデル30:2.9GB |
モデル10:3.9GB モデル20:6.0GB モデル30:10.2GB モデル40:13.3GB |
最大ワークステーション接続台数 | 3台 |
モデル10:6台 モデル20:10台 |
モデル10:16台 モデル20:24台 モデル30:40台 |
モデル30:128台 モデル40:224台 |
特徴 |
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(注)上記の諸元は発表時のもので,その後の改良で変更されている場合がある.