マルチヘッド搭載により毎分150行の高速印刷を実現した富士通のワイヤドットインパクト方式の日本語ラインプリンタであり,1981年に完成した.
当時,OAシステムとして一度に複数枚のコピーを高速に印刷可能なラインプリンタとして活字式インパクトプリンタが広く使用されていた.1980年代に入り日本語処理が普及し,漢字出力が可能なインパクトラインプリンタ装置の要求が高まっていた.一方,漢字を自由に表現できる24ドットのシリアルプリンタが普及していた.このシリアルプリンタ用のヘッドを4個搭載することにより毎分150行の印刷を可能とした日本語ラインプリンタFACOM 6982Aが同社の小型機FACOM Vシリーズ用に開発された.本装置は密閉構造を採用することにより低騒音を実現した.
1983年にはヘッドを5個搭載し,毎分200行に印刷速度を高めたFACOM 6907Aが開発された.また,1987年にはムービングコイル式印字ヘッドとリニアモータ式シャトルユニットを採用し毎分300行の高速印刷と低騒音化を実現したFACOM 6908Aが開発された.
FACOM 6982A | FACOM 6907A | FACOM 6908A | ||
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完成時期 | 1981年 | 1983年 | 1987年 | |
印字方式 | マルチヘッドワイヤドットインパクト方式 | |||
搭載ヘッド数 | 4個 | 5個 | 14個 | |
印刷速度 | 漢字印刷・英数カナ印刷:150行/分 | 漢字印刷・英数カナ印刷:200行/分 |
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改行間隔 | 1/6,1/8 | 1/6,1/8,1/12インチ | ||
複写枚数 | オリジナル+5 | |||
文字構成 | 漢字 | 24×24ドット | ||
英数字・カナ | 12×24ドット | |||
1行印字文字数 | 漢字 | 90字/行 | ||
英数字・カナ | 136字/行 | |||
図形・イメージ印刷 | 不可 | 可(160ドット/インチ) | ||
主な用途 | 小型機FACOM Vシリーズ | オフコンFACOM Kシリーズ |