【富士通】 命令用72単位カードリーダ(フジカードリーダ)

フジカードリーダは,富士通信機製造(現富士通)の72単位の命令用のカードリーダである.従来,FACOM 100では命令を読み込むために60単位のテープ読取装置を使用したが,その後の計算機FACOM 128A(1956年),128B(1958年),FACOM 138A(1957年),FACOM 212A(1959年)等では,本カードリーダが使われた.本装置は,カード読取機構部と読取ゲート用リレー装置から構成され,それらの2組または4組を1台の机に取り付けるようになっている.

読取機構部は,ばねに支えられた接点が並ぶ下部と導板を取り付けた蓋から構成される.この接点の上に,幅12.2cm奥行き37.2cmの紙カードを載せて固定した後,蓋をする.カードに穴が開いている部分は接点と蓋の導板が接触,穴が開いていない部分はその接点が紙で遮られ非接触状態となる.この状態を机の下部の読取ゲート用リレー装置が,72単位ごとまたは72×2単位ごとに読み込む.読取可能なステップ数は,22ステップまたは11ステップである.


 
フジカードリーダー
本来,2組または4組のカードリーダを搭載したが,この写真では3台搭載している
フジカードリーダー
カード読取部にカードをセットした状態