富士通では紙テープ読取装置としてFACOM 748A/E,FACOM 749A/E,FACOM 750Aなどが,紙テープさん孔装置としてFACOM 766A,FACOM 767Aなど多数の装置が開発された.第三世代コンピュータの普及に伴い,より使いやすくて,信頼度が高く,しかも低価格のテープ機器が要望されていた.同社ではFACOM 230-5シリーズの中小型機FACOM 230-25/35向けにテープ読取せん孔装置FACOM 775Aを開発した.本装置は以下の特徴を有した.
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(1)合理的な設計により小形筐体の上に読取機およびせん孔機をコンパクトに搭載
(読取機のみ搭載した装置はFACOM 752A,せん孔機のみ搭載した装置はFACOM 768A,両方搭載した装置がFACOM 775A) - (2)制御回路にIC化プリント板を採用し,装置の小形化と高信頼化を実現
- (3)読取機において,キャプスタン・ピンチローラ方式によりテープの送り・停止動作が円滑に行われ,一度読みで十分な性能を達成
- (4)読取機およびせん孔機とも,繰り出しリール駆動源を持たずに1巻テープの読取を可能とし,かつリール支持台に落とし込む方式にして着脱操作を容易にした
テープ読取せん孔装置FACOM 775A | ||
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(読取機のみ搭載装置FACOM 752A) | (せん孔機のみ搭載装置FACOM 768A) | |
読取速度 | 200字/秒 | - |
せん孔速度 | - | 50字/秒 |
同期方式 | 非同期式 | |
使用テープ | 電子計算機用各種色テープ | |
単位数 | 8単位(6単も製作可) | 6,8単位両用 |
テープ容量 | 1巻テープ(275m) | |
読取/せん孔方式 | 読取は1度読み方式 | 直接せん孔方式 |
テープ送り | キャプスタンピンチローラ方式 | スプロケット方式 |