富士通は計算機の周辺装置についても独自の技術開発を進め,FACOM 222の時に自主技術による周辺装置が一通り揃った.
FACOM 222用テープ読取機としてFACOM 743A/747A/747Bがあった(R-202/R-208/R-212形光電式テープ読取機を参照).
また,富士通のテープさん孔機は,1958年頃から調査・研究がなされた.同社は,パルスモータを紙テープさん孔機に使用する独自の方式で試作機Pf601形を完成.その改良機Pf611形を使用したFACOM 222用FACOM 763Aを製品化した(1961年と推定).
その後,さらに改良が重ねられ,当時としては非同期式では最高速度を持ったPf652形を完成した.このPf652形高速テープさん孔機は以下の特長を有した.
- (1)さん孔方式に回転形マグネット,送りに新形パルスモータを使用した非同期方式のさん孔機で,入力信号に同期してパンチ・フィードするので1サイクル終了後の待ち時間はゼロ.5ms以上のさん孔周期なら任意の速度に追従できる.
- (2)機構部分の摺動および衝撃部分が非常に少ないため長寿命で,さん孔時も静かである.また,さん孔しない時は可動部分がないので騒音を発生しない.
テープさん孔機の機構部分と電源を内蔵した機械台と組み合わせにより,FACOM 222用FACOM 763A,標準インタフェースを採用したFACOM 766A,FACOM 231用FACOM 767Aなどが開発された.
FACOM 763A | FACOM 766A | FACOM 767A | |
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テープさん孔機 | Pf611 | Pf652 | |
結合計算機 | FACOM 222 |
FACOM 230-30他 標準インタフェース |
FACOM 231 |
使用テープ | 6単位または8単位 | 6,8単位共用 | |
さん孔速度(字/分) | 8,000 | 12,000 | 6,000 |
チェック | 情報チェック | フィードチェック | |
入力電源 | AC200V,AC100V | AC200V | |
筐体寸法W×D×H(mm) | 859×700×1,700 |
機構部:550×535×610 機械台:600×640×725 |