【富士通】 FACOM 6470 磁気テープ装置

FACOM 6470は,IBM3480互換のテープ媒体を採用した富士通の高性能磁気テープ装置であり,1987年9月に完成した.同社にはカートリッジタイプのテープ装置としてFACOM 6475があったが,使用媒体はVHSカートリッジを使用していたが,国際互換を有し,大容量,小形で取り扱い易いシングルリールカートリッジ媒体を使用した本装置を新たに開発した.本装置は以下の特長を有した.

(1) 薄膜技術を利用した18トラック磁気ヘッドにより37,871バイト/インチの高記録密度を可能とし,カートリッジ当り最大200メガバイトのデータ記録が可能
(2) 従来のオープンリールテープ装置に対し2.4倍の3.0Mバイト毎秒の高速データ転送速度を実現 さらに磁気テープ装置制御装置とチャネルとの間は4.5メガバイト毎秒の転送が可能
(3) 従来のオープンリール磁気テープ装置FACOM 613Aに比べ,設置スペースは約1/3,消費電力は1/2以下に大幅に低減 媒体保管スペースも大幅に削減
(4) チャネルからのデータを圧縮しテープ上に記録し,読み取り時に伸長して元データをチャネルに送る磁気テープ制御装置のデータ圧縮機構により,カートリッジテープ1巻当り約400メガバイトのデータを記録可能
FACOM 6470磁気テープ装置 諸元
  FACOM 6470
磁気テープ装置
(参考)
FACOM 6475A1/A2
カートリッジテープ装置
(参考)
FACOM 613A
磁気テープ装置
完成時期 1987年9月 1985年6月 1977年12月
テープ媒体 シングルリールカートリッジテープ
(1/2インチ幅,長さ540フィート)
VHSカートリッジテープ
(1/2インチ幅,長さ800フィート)
オープンリールテープ
(1/2インチ幅,長さ2400フィート)
カートリッジ外形(mm) 110(W)×126(D)×26(H) 188(W)×104(D)×25(H) -
ドライブデッキ数(デッキ/台) 2 2 1
記録密度(バイト/インチ) 37,871 32,000 6,250/1,600
記録トラック数 18 18 9
記録方式 GCR bi-GCR GCR/PE
データ転送速度(MB/秒) FACOM 6470A:3.0
FACOM 6470B:1.5
2.5 1.25/0.32
テープ走行速度(インチ/秒) FACOM 6470A:78.7
FACOM 6470B:39.3
78.1 200
記憶容量(*1)
(MB/ボリューム)
最大200
(データ圧縮時 約400)
最大 280 最大 170/44
アクセス時間 (ms) 25 22 1.0
リワインド時間 (秒) 55 最大 52 最大 45
アンロード時間 (秒) 7 10 7
複数媒体の自動装填 最大6巻収容の自動装填機構 最大10巻収容のカートリッジマガジン機構
(FACOM 6475A2)
なし

*1:32Kバイトのブロックサイズで記録した場合


 
FACOM 6470磁気テープ装置
FACOM 6470には標準タイプとオートローダ付の2種類があり,この写真は後者のタイプ.標準タイプは,前面の窓からカートリッジを挿入してローディングする
FACOM 6470磁気テープ装置用カートリッジテープシングルリール形式.外形寸法は109×125×25.5mm.テープは,幅0.5インチで長さは550フィート.記憶容量は200MB.