FACOM 621は,富士通の大型コンピュータFACOM 222の補助記憶用磁気ドラム装置で,1960年に完成した.プロトタイプ機のFACOM 222Pでは,主記憶装置として磁心コアと磁気ドラム装置が使用されたが,商用機FACOM 222Aの補助記憶装置として,D101磁気ドラム装置の技術を基礎として新たにFACOM 621が開発された.本装置は,外部記憶装置でありながら内部記憶装置と同等の機能を有することを特長とした.FACOM 621には,1台の磁気ドラムを内蔵する装置と2台の磁気ドラムを内蔵する装置の2種類があった.
本装置を改良してFACOM 622磁気ドラム装置が開発され,FACOM 231およびFACOM 230(230-30)用補助記憶装置として使用された.
FACOM 621 | FACOM 622 | |
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完成時期 | 1960年 | 1964年頃 |
記憶容量 |
ドラム1台:65万ビット (10,000語) ドラム2台:130万ビット (20,000語) |
262,144桁 (1桁=6ビット,ドラム上では6ビットの前後に1ビットずつのスペースを挿入) |
アクセスタイム | 10.5 ms(50Hz) | 10.3 ms |
回転数 | 2,950 rpm(50Hz) | 3,000 rpm(50Hz,60Hz) |
データ転送速度 | 155k桁/秒 | 50k桁/秒(400kb/秒) |
外形寸法 (mm) | 1,440(W)×640(D)×1,760(H) | 900(W)×690(D)×1,760(H) |
接続システム | FACOM 222A | FACOM 231,FACOM 230(230-30) |