H-6585磁気ディスク装置は,H-8598(630MB/アクチュエータ)の倍容量機として開発された.本装置の基本方式はH-8576系の方式を踏襲していたが,同一スピンドルに搭載したアクチュエータは,それぞれ独立にI/O制御される為,一方がリード/ライト動作している間に,他方がシークするとシーク時に発生する反力がベースを介して伝達され,他方のアクチュエータのヘッド位置決め精度低下を引き起こす欠点があった.
本装置では高TPI化を図る為に,アクチュエータ同士の機械的干渉を避ける為にスピンドル1基毎にアクチュエータを搭載する方式を採用した.また単一アクチュエータ方式によりHDA当りの円板数が少なくなり,HDAの温度上昇が低減出来た為,完全密閉構造とした.
また,高密度記録実現の為,磁気ヘッド材にはMnZnを採用し,記録変調方式は1-7記録方式を採用した.
各アクチュエータはそれぞれ,1,260MBの容量をもちIBM3380Eとの互換性を持っていた.
完成時期 | 1985年12月 |
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装置当り記憶容量 | 5 GB/DKU |
スピンドル当り記憶容量 | 1,260 MB |
BPI | 15,000BPI |
TPI | 900TPI |
面記録密度 | 14 Mbit/inch² |
円板サイズ/枚数 | 14 inch/7枚 |
ヘッドタイプ/アクチュエータ当り本数 | 軽荷重MnZnフェライト/24本+1本(サーボ) |
平均アクセス時間 | 17 ms |
ディスク回転数 | 3,600rpm |
データ転送速度 | 3 MB/s |