【松下電器】MADIC-Iトランジスタ計算機

松下電器産業通信事業部東京研究部(後の松下通信工業研究部,現パナソニックモバイルコミュニケーション)は,電気試験所で開発されたETL Mark IVをモデルとして,1958年5月にMADIC-Iの試作研究に着手し,翌年4月に完成した.方式,性能ともETL Mark IVとほぼ同じであり,1語6桁直列,1桁2進化10進4ビット並列,1アドレス命令方式,命令数約30,記憶容量1,000語,加減算3.4ms,乗算4.8ms,除算6.4ms,であった.接合型トランジスタ約400個,ダイオード約4,000個を使用.記憶装置には磁気ドラム(北辰電機(後の横河北辰電機,現横河電機)製),を使用した.入出力装置は紙テープリーダ,テレプリンタを使用.外観はテレプリンタを中央に配置したデスクトップタイプにまとめられた.

本試作の目的は電子計算機商品化のフィージビリティスタディであった.試作検討の結果をふまえて.次のMADIC-IIの商品化計画がスタートした.


 
MADIC-I調整中のMADIC-I