【日立】 HITAC 301

日立製作所の最初のトランジスタ計算機.ETL Mark IVを完成した電気試験所の技術指導を受けて1958年5月ごろから開発に着手.HIPAC MK-1が技術計算を目的としたのに対し,事務処理用を指向した.ETL Mark IVの基本回路を使用しながら,語長は符号+12桁に拡張し,1語に2命令を入れるペアドオーダ方式とし,オーバフローの検出や入出力の一部同時動作を図るなどの工夫をこらした.磁気ドラムは12,000RPMの高速性と1,960語の容量を持つ,当時としては最高のものを狙った.

パラメトロンのHIPACに対してHITAC(Hitachi Transistor Automatic Computer)301と命名され,1959年4月に完成し,5月に日本電子工業振興協会に納入された.これが今日も続くHITACブランドの第1号である.


  
HITAC 301(日本電子工業振興協会「電子工業振興30年の歩み」より転載)