米ハネウェル社との技術提携により開発されたNEAC-シリーズ2200用のオペレーティングシステムとしてMODシリーズ(MOD I,MOD III,MOD IV,MOD VII)を順次出荷した.MOD IからMOD IIIまでは,米ハネウェル社からの技術導入,MOD IV以降は,日本電気で独自に本格的オペレーティングシステムとして開発がなされた.MODシリーズではワンマシンコンセプトを最大限に活かし,MOD IからMOD VIIにいたるまでデータファイルとアプリケーションプログラムの互換性および拡張性を持たせていた.
MOD Iは小型機用で,磁気テープシステム向けとディスクシステム向けを用意した.MOD III以上は中・大型機用で,複数の独立したプログラムの同時処理,メモリおよび入出力装置のダイナミックな割り当て,COBOLやFORTRANの高水準言語,タイムシェアリング(NEAC-TSS),CRJE(Conversational Remote Job Entry)などの特長を備えた強力なソフトウェアであり,ユーザの必要とするアプリケーション業務および機器構成に応じた幅広いサービスを提供した.
OS名 | 特長 | 使用可能機種 |
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MOD I-TR | 磁気テープ装置を中心に構成されたシステムを効果的に運用する機能のほか,ジョブ制御としてそれぞれ1つのデータ変換とバッチ処理プログラムを同時に処理する多重プログラム処理機能を有する. | モデル50〜500 |
MOD I-MSR | 磁気ディスク装置を中心として構成されたシステムでバッチ処理のほか,NOSS─7(NEAC Online Software System)により容易にインライン処理,オンライン処理ができる. | モデル75〜500 |
MOD III | MOD I-TRとMSRの機能に加え,多重プログラム(4プログラム),大型コンピュータシステムの能力を有効に使用する機能(スタックトジョブ処理等)を有する. | モデル375〜500 |
MOD IV | スタックトジョブ処理,オンラインリアルタイム処理,リモートジョブ処理等最大20の多重プログラム処理機能を有する. | モデル250〜700 |
MOD IV EX | MOD IVの機能に加え,高速磁気ドラム装置を中心としたシステムを効果的に運用する機能を有する. | モデル575〜700 |
MOD VII | マルチプロセッサシステムを効果的に運用する機能を有する. | モデル700 |