NEACシリーズ2200は,下位機種から上位機種まで同一アーキテクチャで統一されており,データ処理量の増大を上位機種への移行によって対応でき,プログラム資産も継承して使用できるというワン・マシンの概念になるもので,1965年5月にモデル100,200,300,400,500の5機種が発表された.その後,1966年8月に小型のモデル50,1968年11月には最上位機のモデル700が追加された.
モデル100,200,300,400ではワイア・メモリ,磁気カード・メモリを採用し,さらにモデル500ではトランジスタ回路に代えてモノリシックICを採用するなど各種の新技術が使われている.カナコボルも使用されており,当時の日本の実情に合わせて開発された.記憶速度が最高1.5μ秒/8字と高速で,16の周辺装置を動かす同時処理能力を有し,各モデル間では,プログラム,中央処理装置,入出力装置がワン・マシンとして結合され,1つのプログラムはどのモデルにも相互に使用できる.互換性はモデル間のみでなく,それまでのNEACシリーズやIBMシリーズとも完全な互換性を持っていた.
記憶容量は,モデル100からモデル500までの間で,2,048字から524,288字までの広範囲にわたり,周辺装置は磁気テープ装置や磁気ドラム装置などに加え,大容量磁気カード記憶装置,磁気インク文字読取装置,光学文字読取装置,データ収集装置,データ・ステーション等多様であった.また,多重プログラム処理機能とオペレーティング・システムが完備し,データ・コレクタ,テラーズ・マシン等の遠隔端末装置,各種データ通信機器を備え,リアルタイム処理に最適な磁気カード記憶装置と相まって,本格的なオンライン・リアルタイム・システムが可能となった.
100 | 200 | 300 | 400 | 500 | |
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発表時期 | 1965年5月 | ||||
記憶容量(字) | 最大32k | 最大65k | 最大131k | 最大262k | 最大524k |
記憶速度(μs/字) | 2 | 2 | 1.5 | 1 | 0.188 |
平均命令実行時間 | 91μs | 44.5μs | 29.5μs | 20μs | 5.7μs |
入出力の同時動作 | 最大3 | 最大4 | 4 | 最大8 | 最大16 |
入出力トランク数 | 4 | 最大16 | 16 | 最大32 | 最大64 |
メモリ素子 | コアメモリ |