日本電気は,1966年10月,国産機で初めてモノリシック集積回路(IC)を全面的に採用した大型機NEACシリーズ2200モデル500を完成した.ICとしてはCTL(Complementary Transistor Logic)を用いており,個別部品を用いた場合に比して装置の大きさは1/3〜1/6に小型化され,信頼性は10倍以上改善された.NEACシリーズ2200のモデル50〜モデル400の有する機能以外に種々の機能を追加し,大規模IDP(Information Data Processing)システム,リアルタイムシステムに適した中央処理装置として開発された.モデル400以下では文字単位で主記憶装置をアクセスしているが,モデル500ではサイクルタイム1.5μsで8文字同時にアクセスすることにより,論理部から見た実効的メモリのサイクルタイムが向上している.命令の先取制御,同時制御方式が随所に採り入れられ,また,割込み機能の強化も図られている.最大記憶容量524,288字,浮動小数点除算で18.0μsである.