【富士通】 OASYS Vシリーズ

ATアーキテクチャ(注1)を採用し,パソコンとしても利用できる富士通の新たな日本語ワープロ・シリーズ.ワープロとパソコンの二役をこなすエンドユーザ・コンピューティング時代のワープロとして,1994年12月に, OASYS V-450sBモデル270,OASYS V-450sB/S2Pモデル420,OASYS V-466B/T2モデル420の3機種が発表された.OASYS Vシリーズは次の特徴をもつ.

  • (1)日本語ワープロとして初めて全モデルにマイクロソフトのパソコンOSである「Windows 3.1」及び「MS-DOS 6.2/V」がプレインストールされた.
  • (2)Netwareサーバにワープロ感覚で文書を格納できるユーティリティ「PCサーバ連携」を提供することで,オープンなクライアント/サーバ環境でのファイル共有やファイルの一元管理を可能にした.
  • (3)富士通のパソコンである「FM Vシリーズ」との各種アプリケーションを利用可能.
(注1)ATアーキテクチャ: 1984年に発売されたIBM社のPC/ATに由来するパソコンのアーキテクチャ.オープンであることから世界中で採用された,パソコン規格の事実上の業界標準.

OASYS Vシリーズ 諸元
モデル名 V-450sB V466B
V-450sBモデル270V-450sB/S2Pモデル420V-466B/T2モデル420
発表時期 1994年12月 1994年12月 1994年12月
CPU i486SX2(50 MHz) i486DX2(66 MHz)
メモリ 4 MB (最大20 MBまで拡張可能) 8 MB (最大24 MBまで拡張可能)
HDD 240 MB
(OASYS区画:50 MB)
(パソコン区画:220 MB)
420 MB
(OASYS区画:60 MB)
(パソコン区画:360 MB)
FDD 3.5inch(1.44 MB,1.2 MB,720 KB)×1台
PCカード 1スロット:JEIDA (*1) V4.1 / PCMCIA(*2) 2.0 準拠
拡張メモリ 1スロット:4 MB / 8 MB / 16MB拡張メモリ用
モデムカード 1スロット:専用モデムカードスロット(OAMDC303用:オプション)
拡張バススロット 1チャネル(110ピン),
LANアダプタ 又は 拡張ボックス(フルサイズ×2枚:オプション)
キーボード 親指シフトキーボード(日本語入力コンソーシアム準拠)
又は JISキーボード.テンキー(オプション)
ディスプレイ モノクロ液晶
(10.4inch)
DSTNカラー液晶
(*3)(10.4inch)
TFTカラー液晶
(*4) (10.4inch)
16階調
640ドット×480ドット
4096色中256色同時表示
640ドット×480ドット
外寸 390(W)×158(D)
×279(H)mm
390(W)×158(D)
×327(H)mm
390(W)×158(D)
×279(H)mm
重量 7.9 kg9.5 kg7.9 kg
消費電力 42W(最大56W)70W(最大84W)52W(最大65W)

(*1) JEIDA:日本電子工業振興協会.後のJEITA.JEIDA V4.0はPCカードスロットの規格のひとつ.
(*2) PCMCIA (Personal Computer Memory Card International Association): 米国の業界団体.パソコンに接続するICカードの仕様策定を担う.日本のJEIDAとは共同で拡張カード規格であるPCカード規格を策定した.
(*3) DSTN (Dual scan Super Twisted Nematic): STNを改良した液晶の種類のひとつ.TFT方式の液晶に比べ低コスト化を図りやすいとの特徴があった.
(*4) TFT (Thin Film Transistor): 液晶の種類のひとつ.応答速度が速く鮮明な画面を得やすく,大画面にも適用しやすい.


  
OASYS V 450sB