【富士通】 FUJITSU GP7000Fファミリー

富士通が開発した64ビットRISC(注1)プロセッサ「SPARC64-GP」(注2)を搭載したUNIXサーバ.富士通の新たなUNIXサーバのファミリーの1つとして,FUJITSU GP7000Fファミリーが1998年11月に富士通とPFUから共同発表された.富士通はUNIXサーバを新たにGP7000シリーズとして整理し,従来のSファミリー(Sシリーズ)はGP7000Sファミリー,GRANPOWER7000シリーズはGP7000Fファミリー(サンのOS「Solaris」を搭載)と GP7000Dファミリー(富士通製のOS「UXP/DS」を搭載)になった.FUJITSU GP7000Fファミリーは国内のみならず,アジア・オセアニア・米国・欧州を販売対象とした.以降,富士通のUNIXサーバは,FUJITSU GP7000Fファミリーの系列が中心になっていく.FUJITSU GP7000Fファミリーは以下の特徴を持つ.

(1) 富士通が開発した高性能プロセッサ「SPARC64-GP」
SPARC INTERNATIONALが規定した64ビットアーキテクチャであるSPARC V9仕様に準拠した高性能プロセッサを搭載.命令発行順に関係なく,演算ユニットの空き状態に応じた命令実行機能,分岐予測機能など,高速化が図られた.
(2) 高性能システムバス
高速なクロスバースイッチを採用したシステムバスにより,複数バスのメモリ同時アクセスを可能とし,最大5.6ギガバイト/秒を実現.特にマルチプロセッサ構成時のCPU性能を最大限に引き出す.
(3) 高度な信頼性
プロセッサ,メモリ,I/Oバスの縮退運転(故障部分切り離し運用)機能,ハードウェア異常やサーバ停止などのシステム異常を検出する独立プロセッサによるSCF(System Control Facility)を装備.
(4) クラスタ構成
高可用なクラスタシステムを構成するためのソフトウェア「SafeCLUSTER」の提供.
(注1)RISC(Reduced Instraction Set Computer): 縮小命令セットコンピュータ.
(注2)SPARC: SPARC INTERNATIONALが定めるプロセッサ規格.
FUJITSU GP7000Fファミリー 諸元
モデル名 200 200R(*1) 400A 400R(*1) 600
発表時期 1998年11月 1999年5月 1998年11月
プロセッサ SPARC64-GP
プロセッサ
周波数
225MHz,
250MHz
250MHz,
300MHz
275MHz,
300MHz(*2)
プロセッサ数 最大2 最大2 最大4 最大4 最大8
最大主記憶容量 4GB 4GB 8GB 8GB 16GB
最大ディスク容量 40TB 40TB 60TB 60TB 70TB
OS Solaris
その他
  • 富士通が開発した64ビットSPARCプロセッサSPARC64-GPを使用
  • クロスバースイッチによる高性能システムバス(5.6GB/s)を採用
  • 最大16サーバからなるクラスタ構成が可能(*3)

(*1)Rモデルはラックマウント型.
(*2)モデル600の300MHz版は,1999年の11月に追加された.
(*3)クラスタ構成をとる場合は,そのためのソフトウェア「SafeCLUSTER」を使用.

以上の諸元は発表時のもので,その後の改良で変更されている.また,モデルのバリエーションもさまざまに追加されている.


FUJITSU GP7000Fモデル200FUJITSU GP7000Fモデル400AFUJITSU GP7000Fモデル600