汎用ワークステーションを高速なネットワークで接続した構成の富士通の最初のスカラパラレル型のスーパーコンピュータ.1992年10月に発表された.FUJITSU AP1000は16台から1024台のプロセッシングエレメントからなる分散メモリ形の高並列コンピュータで,個々のプロセッシングエレメントをセルと呼んだ.各セルを結合するネットワークは二次元トーラス状のトポロジをもち,T-Netと呼ばれた.
FUJITSU AP1000は,ネットワーク技術の進歩を背景に,プロセッサ間の通信性能を向上させ,低レイテンシ(短遅延時間)で高スループットなセル間結合ネットワークと,メッセージハンドリングのハードウェア化(ルーティングコントローラRTC)による高速化により,大量セルの並列処理を可能にした.富士通のスカラパラレル型のスーパーコンピュータの基本技術はFUJITSU AP1000で確立され,AP3000へと継承された.
発表時期 | 1992年10月 |
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セル数 | 16〜1024 |
セルプロセッサ | SPARC IU + FPU(25MHz) (*1) |
メモリ容量 | 16MB/セル |
セル結合ネットワーク | T-Net (25MB/s×4チャネル) |
(*1)FPU:浮動小数点数演算ユニット.Floating Point Unitまたは Floating point number Processing Unit.
以上の諸元は発表時のもので,その後の改良で変更されている場合がある.