ウノケ電子(1969年よりユーザック,1987年よりPFU)によって開発された,USAC-3010に続く超小型コンピュータである.1963年に初号機が製造された.
USAC-1010は,事務処理への適用能力の向上に加え,550万円からという当時としては割安感のある価格の実現を図ったコンピュータである.事務処理への適用力向上のために,USAC-1010は,カナ文字や特殊文字を扱いやすくする等の事務処理に則した使い勝手のよさに加え,従来は中型機以上で使用されていた光電式紙テープ読取機や高速度紙テープ穿孔機や帳票印刷機能などが装備された.
これらの特長により,USAC-1010は地方自治体業務や計算センタ業務等での小規模バッチ処理で広く利用され,当時の事務の近代化に寄与した.USAC-1010及びその改良モデルであるUSAC-1020や1020Sは,市場に広く受け入れられ,後に我が国でオフコン(オフィスコンピュータ)と呼ばれるジャンルの形成の一翼を担った.
USAC-1010の主な仕様は次のとおり.
- (1)命令数は35種(条件付きジャンプ命令7種を含む).命令体系はUSAC-3010を踏襲
- (2)250kHz-Dynamic論理回路を使い加減算速度は1.25ms
- (3)主記憶はコアメモリ.基本200語,最大1,000語
- (4)6桁(符号付)/語
- (5)プログラム納品媒体は紙テープ