USAC-3010,5010は,当時まだ概念として確立していなかったオフィスコンピュータを指向した超小型コンピュータで,1961年にウノケ電子(後にユーザック電子工業を経て現PFU)により開発された.
USAC-5010は,同社創業以来初のコンピュータで試作機に終わったが,同時に開発が行われていた商用機USAC 3010は,小型で低価格(600万円から800万円クラス)を実現した中小企業向けの汎用コンピュータであった.主な特徴は,(1)10進9桁,ワード方式 (2)1-1/2アドレス (3)命令数40 (4)250kHz-Dynamic論理回路 (5)主記憶にコアメモリを採用.コアメモリにはシーケンスカウンタ,インデックスレジスタ,バッファレジスタを格納する方式を採ることにより,プログラミングの融通性を高め,同時にハードウェアの大幅な削減を実現することができた.本機は,重量を分散させて運搬を容易にするため電源ユニットを分離し,本体の上部に搭載する構成とした.コンソール卓(写真 本体の左の台上に搭載)は,本体の操作やプログラムデバッグ時にレジスタの内容表示等に使われたが,細かい制御は,キーボードとプリンタを利用することで,スイッチ・ランプは極力少なくし,コスト削減と簡素化を図った.現在,USAC 3010の商用機が,PFU本社に保管されている.