日本電気は,1987年5月,マルチプロセッサを採用したオフィスコンピュータの新シリーズNECシステム3100を発表した.
これはVSシリーズの後継機としてオフィスコンピュータの高速化と大型化の要求に応えた製品である.新しく開発した技術の採用により,VSシリーズに比べて,処理能力を最大2.4倍に,通信能力を10倍に,LANを4倍に高速化している.
処理能力の向上は,32ビットプロセッサIDP-2(CMOS-VLSIで16万トランジスタ)の全機種での採用,世界に先駆けて同社が開発した4ウェイ・セット・アソシアティブ方式の8キロバイト・1チップキャッシュメモリμPD43608Rの採用(モデル60以上),OSプロセッサ,アプリケーションプロセッサ,I/Oプロセッサと機能分散を図った.当時このクラスでは初めてのマルチプロセッサ方式の採用(モデル60以上),システムバス能力の向上(VSシリーズの約3倍)によるディスクアクセスの2チャネル化(モデル40以上)などによる.
また,マルチメディア処理機能においては,A4版ドキュメントを約8万枚格納できる3.6GBの記憶容量を有する光ディスク装置を最大4台まで接続できるため大量マルチメディア・ドキュメント処理を可能にした.
モデル30 | モデル40 | モデル50 | モデル60 | モデル70 | モデル80 | ||
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発表 | 1987年5月 | ||||||
メモリ容量 | 1〜4MB | 1〜6MB | 2〜10MB | 2〜18MB | 4〜32MB | 4〜64MB | |
フロッピー ディスク |
3.5"(1MB)(基本),5"(1MB),8"(1MB)最大4台 | ||||||
磁気ディスク | 66〜132 または 134〜268 MB |
134〜536MB | 134〜938MB | 134MB〜1.88GB | 260MB〜4.16GB | 520MB〜6.12GB | |
カートリッジ 磁気テープ |
30MB または 122MB タイプ |
30MBタイプ/122MBタイプ(混在可) | |||||
磁気テープ | 1600/ 800 BPI |
− | 1〜2台 | ||||
6250 BPI (ストリーマ型) |
− | − | 1台 | ||||
光ディスク | − | 3.6GB/台×1〜4台 | |||||
最大WS 接続台数 |
4 | 8 | 16 | 32 | 56 | 120 | |
最大 通信回線数 |
4 | 8 | 16 | 32 | 48 | 64 | |
最大 通信能力 (bps) |
48,000 | 96,000 | 192,000 | 288,000 | 384,000 | ||
筐体寸法 W×D×H cm |
50×47 ×16 (横置型) |
18×68 ×65 |
24×68×65 | 40×68×70 | |||
LAN | C&C-NET,BRANCH4670(1Mbps), BRANCH4670II(4Mbps),BRANCH4680(10Mbps) |
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OS | ITOS-VX | ||||||
言語 | COBOL,COBOL85,FORTRAN77,SMARTII | ||||||
データベース | ITOSRDB | ||||||
統合オフィス システム ”アラジン” |
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OAソフト ウェア パッケージ |
LANPLAN4,LANFILE4,LANGRAPH4,LANWORD4, LANSTAT3, LANFORECAST3,LANMAP3,LANDESK4, LANFORM2,LANNOTICE2 |