【富士通】 FACOM V0

1972年3月,小型機,超小型機およびビリングマシンの開発,製造,販売について密接な協力体制をとるため,富士通・内田洋行・ユーザック電子工業(現PFU)の3社が提携した.FACOM V0は,富士通のFACOM 230-10の後継機およびユーザック電子工業のUSAC 720/90の後継機として,富士通とユーザック電子工業と共同で開発されたオフィスコンピュータである.仮想記憶方式を採用し,ビリング(伝票発行)機能からバッチ,オンライン処理まで広範囲の利用を狙った.また,同時に発表された新しい試み,ソフトウェアのアンバンドリング(ハードウェアとの価格分離)と総合サービスセンタ「スカイラブ」の全国11カ所設置は,業界内で反響を呼んだ.1975年には性能が強化されるとともに,下位機FACOM V0Sの追加,さらに翌年にはフロッピィディスク搭載のFACOM V0III,V0S IIIへと強化された.

FACOM V0シリーズ主要諸元
機種名 FACOM V0S FACOM V0
発表時期 1975年12月 1974年8月
主記憶装置 記憶素子 4Kビット MOS-LSIメモリ
サイクルタイム 900ns/2B 800ns/2B
容量 16〜32KB 20〜48KB
CPU 制御方式 マイクロプログラム制御
語形式 可変長(ビット,バイト)
固定長(半語/1語/倍語 1語=32ビット)
命令 1,2アドレス/可変長命令 合計114種
接続I/O 最大10台+1回線 最大22台+1回線
ファイル装置 種類 磁気ドラム 262KB(内蔵) 131/262KB
磁気ディスク 512KB/1MB(内蔵) なし
磁気ディスクカートリッジ 3種,2.45/4.9(2.45+2.45)/9.8(4.9+4.9)MB
台数 最大3台(内蔵を含む) 最大4台
フロッピィディスク 8インチ×最大2台,243KB/ドライブ
その他
  • FACOM V0の縮小版
  • マルチビリング,オンライン処理
  • OS UNIOS/F1
  • 簡易言語TASKFORCE,COBOL
  • マルチビリング,バッチ,オンライン処理
  • OS UINIOS/F1
  • 簡易言語TASKFORCE,COBOL

(注)上記の諸元は発表時のもので,その後の改良で変更されている場合がある.


  
FACOM V0