三菱電機のスーパーミニコンMX5600,MX5700,MX5800は,高速化アーキテクチャを2万ゲートおよび1.1万ゲートのCMOS VLSIに集約し,高信頼性と低消費電力を実現したMELCOM70 MXシリーズの上位モデルである. MX5600,MX5700は,MX/2600の3.3倍の演算性能を持っている.可変長9ステージパイプライン,80メガバイト/秒の高速バス,256キロバイトの大容量キャッシュメモリを搭載.64ビットの演算パスによる倍精度演算の高速化,通信制御やプログラム開発で多用するキャラクタ/ストリング処理のVLSI化により,総合的な処理能力が向上している.
MX/5600はデスクサイドキャビネットのモデル,MX/5700は,システムの拡張性を持たせたモデル,MX/5800は,密結合マルチプロセッサ構成のモデルである.また,MX/5700とMX/5800は,最大32メガバイトのコモンメモリを持ち最大4CPUの結合を可能とするマルチ・コンピュータシステム構成をとることができる.
MX/5600II,MX/5700II,MX/5800II は,新規開発の浮動小数点LSIにより,短精度・倍精度浮動小数点演算や関数演算を高速化し,MX/5600,MX/5700,MX/5800に比べ,CPU性能を25%向上させている.また,ディスク容量を強化している.
OSは,UNIX(SYSTEM V + BSD拡張)と三菱電機が開発したリアルタイムOSを融合したOS60/UMXを搭載しており,MXシリーズ間でのハードウェアおよびソフトウェアの完全上位互換性を持っている.
MX/5600 | MX/5700 | MX/5800 | MX/5600II | MX/5700II | MX/5800II | |
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発表時期 | 1988年4月 | 1990年9月 | ||||
相対性能比 | 4 | 4 | 7.2 | 5 | 5 | 9 |
最大主記憶容量 | 32MB | 64MB | 32MB | 64MB | ||
インターリーブ | − | 2ウェイ | − | 2ウェイ | ||
マルチプロセッサ | 1 | 1 | 2 | 1 | 1 | 2 |
マルチコンピュータ | − | 最大4台 | − | 最大4台 | ||
内蔵固定ディスク | 331MB×2 | 547MB×16 | 699MB×2 | 699MB×24 | ||
外形寸法 | 500mm(W) | 700mm(W) | 500mm(W) | 700mm(W) | ||
800mm(D) | 800mm(D) | 800mm(D) | 800mm(D) | |||
700mm(H) | 1400mm(H) | 700mm(H) | 1400mm(H) |