MX/2000は,高密度実装技術により,MX/3000の高速・高性能を,フロアスタンド形キャビネットに収納した三菱電機のスーパーミニコンである.CPUには高速浮動小数点演算機構付32ビットカスタムLSIを採用し,4段パイプライン制御により基本命令の高速化を図り,1.2MWIPS(Whetstone Instructions Per Second)の処理性能を実現した.さらに,スプリット方式の高速バスを採用している.また,32キロバイトのダイナミックキャッシュに96キロバイトのスタティックキャッシュを加え,合計128キロバイトの大容量・高性能キャッシュメモリにより,高速演算を可能としている.また,スタティックキャッシュ効果により,OSの処理を高速化した.
MX2600は,MX2000のコンパクトなアーキテクチャを踏襲し,内蔵補助記憶装置を強化したスーパーミニコンである.
MX2800は,MX2600の基本処理装置を2台備えた密結合のマルチプロセッサである.
MX2900は,MX2600の基本処理装置に,ベクトル演算で威力を発揮する16MFLOPSの内蔵型アレイプロセッサを備えたものである.また,高速スタティックRAMで構成する高速主記憶装置(0.5メガバイトまたは1メガバイト)を装備することにより,内蔵型アレイプロセッサのパイプラインにデータを無駄なく供給可能となり,ベクトル処理性能を最大限に引き出すことが可能となる.
OSは,UNIX(SYSTEM V + BSD拡張)と三菱電機が開発したリアルタイムOSを融合したOS60/UMXを搭載している. 
| MX/2000 | MX/2600 | MX/2800 | MX/2900 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 発表時期 | 1985年9月 | 1987年2月 | |||
| 最大主記憶容量 | 6MB | 8MB | |||
| マルチプロセッサ | − | − | ○ | − | |
| 内蔵アレイプロセッサ | − | − | − | ○ | |
| 内蔵補助記憶装置 | 固定ディスク装置容量 | 72MB | 147MB×2 | ||
| フレキシブルディスク装置 | 8インチ1.2MB | 8インチ1.2MB | |||
| カートリッジ磁気テープ装置 | − | 37MB | |||
| オプションスロット | 5 | 10 | |||
| 外形寸法 | 400mm(W) 650mm(D) 600mm(H) | 500mm(W) 800mm(D) 700mm(H) | |||


