【三菱電機】 MELCOM 3100シリーズ

第3世代に入り,IBM社のS/360に代表されるように,ソフトウェアの汎用性を重視する考え方が打ち出され,同一ソフトウェアを多数の系列機種に共通して適用するファミリーシリーズの考え方が普及した.MELCOM 3100シリーズは,このファミリー形態を採用したシリーズで,1966年に発表され,モデル10,モデル30,モデル50と,ビルディング・ブロック式に能力を拡大できる3モデルから構成されていた.シリーズ化に伴い,目的に応じた最適のコンピュータシステムが構成できるよう,どのモデルにもあらゆる周辺機器を接続できるStandard Interfaceの概念が導入された.

データの入出力ではメモリへのサイクルスティール方式を取り入れ,1〜11の入出力動作を演算処理と同時並行的に行うことができた.

ソフトウェアは,各種コンパイラ,アセンブラ,各種ユーティリティプログラムなどを体系的に整備したテープ・オペレーティングシステム,および,ディスク・オペレーティングシステムが開発された.これらは,MELCOM 1530と完全な互換性を有していた..

MELCOM3100シリーズの主な仕様は次のとおり.

MELCOM3100シリーズ
主記憶 容量 8K〜32K語
語長 18bit(3文字格納)
サイクルタイム 1.75μs
CPU データ形式 文字(可変長)
十進数(1〜30桁)
二進数(18bit、36bit)
二進浮動小数点数(36bit、54bit)
命令語長 可変長
命令の方式 1アドレス,2アドレス,3アドレス, インデックス・アドレス,間接アドレス
命令の種類 155種
演算速度 十進5桁 加減算:35μs
乗算:201μs
除算:473.5μs
二進固定小数点18ビット 加減算:3.5μs
乗算:15.75μs
除算:15.75μs
短精度浮動小数点 加減算:80.5μs
乗算:129.5μs
除算:181μs
主な周辺装置 磁気テープ装置(20K字〜120K字/秒)
磁気ディスクファイル装置(33,000K字)
磁気ディスクパック装置(7,250K字)
磁気ドラム装置(750K字)
カードリーダ(800枚/分、1650枚/分)
カードパンチ(250枚/分、150枚/分)
ラインプリンタ(1,000行/分、600行/分)
紙テープリーダ(1,200字/秒、400字/秒)
紙テープパンチ(120字/秒、25字/秒)

  
MELCOM 3100シリーズ