- Primary field:
- 一次コマンド.ロードやストア,加算などの基本的なコマンドは4または6クロックで実行.
- Address option field:
- メモリの読み書きを行う番地が入っているレジスタ.ビット10と11でM,L,P,Dを指定し,ビット12で直接アドレス/間接アドレスを指定.
- Count option field:
- メモリのアクセスや番地変更の制御(Count/Hold),または,シフト処理の語長(Single/Double)を指定. 解釈は,Address option fieldまたはPrimary fieldにより定まる.
- Secondary field:
- 二次コマンド,または,テスト条件,パラメータ,スクラッチパッド・メモリ・アドレス.解釈は,Address option fieldまたはPrimary fieldにより定まる.二次コマンドは,一次コマンドの最後のクロックの時に実行
ロガンドを組み合わせて作ったプログラムをログラム(LOGRAM:Logical Program)と呼ぶ.アセンブリ言語の命令はログラムで実装されていた.
主メモリの容量は,標準8K語であり,16K語および32K語に拡張することができた.1語は18ビット+パリティ1ビットで,英数字を3文字格納できた.主メモリは,演算回路,入出力制御装置(バッファ・コントローラ)及び通信制御装置(テレ・コントロール・ユニット)からアクセスされた.
演算回路および制御回路は,メモリ・サイクルに同期した333KHzのクロックパルスで動作する同期形回路で,乗除算回路も組み込まれていた.CCL(コンピュータ・コミュニケーション・リンク)という装置を付加することにより,最大3台までのMELCOM 1530プロセッサ間で直接にデータの交換を行う同時運転ができた.
周辺装置との入出力を行うために,バッファメモリ,入力チャネル,出力チャネル,割込制御回路,周辺装置制御回路および電源を内蔵したバッファ・コントローラが用意され,入力,出力および演算とを同時に行うことができた.バッファメモリは,384文字の容量のコア・メモリで,主メモリと同じ語長,アクセスタイムであった.バッファメモリには,18ビットの出力レジスタと,132ビットの出力シフトレジスタがあり,カードパンチ,ラインプリンタ,紙テープパンチ,タイプライタなどの低速の出力装置へのバッファリングに使用された.入力装置と高速出力装置には,バッファメモリは使用されず,80ビットの入力シフトレジスタが入力データのバッファリングに使用された.これらの装置は,割り込みまたはサイクルスチールによって,データを主メモリに送り,システム全体の同時動作の割合を高めた.
大容量の外部メモリとして,磁気テープ装置が使用された.磁気テープ装置は,IBMと互換性のある7トラックで,転送速度は41,700文字/秒であり,最大8台まで接続できた.
その他,読取速度1,650枚/分の光学式高速カードリーダ,穿孔速度300枚/分の高速カード・リーダ・パンチ,印刷速度750行/分で,132文字/行の活字ドラム方式の高速ラインプリンタ,印刷速度10字/秒のタイプライタ,紙テープリーダ,紙テープパンチを接続することができた.
また,容量228.3×106ビット(約3,250万文字),平均アクセスタイム190m秒,最高転送速度697×103ビット/秒の磁気ディスクを最大4台接続することもできた.
テレ・コントロール・ユニットは,最大64個の端局を取り扱うことができ,各端局には,最大32台の端末装置を接続することができた.