半導体レーザ書き込みによる高品質印刷を実現した富士通のカット紙用レーザプリンタで,1982年に完成した.
コンピュータによるOA処理の普及にともない,データの入出力用ディスプレイサブシステムでは日本語の入出力,ビジネスグラフ処理や文書作成などの機能が提供された.汎用コンピュータFACOM Mシリーズ用ディスプレイサブシステムの高速印刷装置としてFACOM 6657Aが開発された.本装置は,オフィスプリンタと呼ばれ,以下の特長を有した.
- 1) 半導体レーザビーム書き込みによる高品質文字の印刷が可能(解像度 240ドット/インチ,漢字フォント 30×30ドット)
- 2) グラフ出力,フォームオーバーレイ,多種の文字サイズなど豊富な機能を装備
- 3) コンパクト化,低騒音化を図り一般のオフィスに設置可能とした
- 4) ホストからの出力に加えて,ホストを介さないでディスプレイ制御装置に接続されるディスプレイ装置からの印刷を可能とした
- 5) 取り扱いが容易
- 2段カセット給紙方法により用紙の交換と給紙が容易.フェースダウンスタック機構(オプション)により出力した用紙をそのままファイリングできる.
1985年には,文字表現力を強化(ゴシック体,倍角,長体,平体,日本語ラインプリンタとの互換(FACOM 6677A2のみ))したFACOM 6677A1/A2,1987年にはバーコード印刷機能追加や低騒音化を図ったFACOM 6677B1/B2が,それぞれ開発された.
FACOM 6657A | FACOM 6677A1/A2 | FACOM 6677B1/B2 | ||
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完成時期 | 1982年 | 1985年11月 | 1987年4月 | |
印刷方式 | レーザ書き込みによる乾式電子写真方式 | |||
印刷形式 | 3モード(*1) | A1:3モード(*1) | B1:3モード(*1) | |
A2:4モード(*2) | B2:4モード(*2) | |||
印刷速度(A4版) | 最大20枚/分 | A1:最大20枚/分 | B1:最大20枚/分 | |
A2:最大16枚/分 | B2:最大16枚/分 | |||
解像度 | 240ドット/インチ | A1:240ドット/インチ | B1:240ドット/インチ | |
A2:300ドット/インチ(縮刷時) | B2:300ドット/インチ(縮刷時) | |||
印刷オプション | フォーマット印刷機能(ソフトオーバーレイ),グラフ印刷機能,イメージ印刷機能 | |||
用紙 | 用紙サイズ | B4, A4, B5, A5, レターサイズ | B4, A4, B5, A5, レターサイズ,はがき | |
給紙 |
2段カセット給紙方式 (250枚/カセット) |
カセット給紙方式(250枚),ホッパ(1000枚), 但しはがきサイズは不可 | ||
手差し給紙 | - | B4, A4, B5, A5, レターサイズ,はがき | ||
後処理 | ファイスダウンスタック機構(オプション) | 反転スタッカ(オプション) | ||
主要接続機種 | FACOM Mシリーズ |
*1:ポートレート,ランドスケープ,LPの3つのモード
*2:ポートレート,ランドスケープ,LP,縮刷の4つのモード