H-8468-1は,パワーウインドウ・オートハブ・オートスレッディング機構を採用し,ワンタッチでのテープの自動装填を可能にしたオープンリール磁気テープ装置で,1974年4月に出荷された.
従来のH-8455形磁気テープ装置で採用した,オートスレッディング技術をさらに発展させオートハブ機能を採用した.これによって磁気テープを装置に装着する場合,テープをハブの位置に持っていき,操作盤のボタンを押すだけで,前面のパワーウインドウが自動的に閉じられ,オートハブ機能によってテープリールがハブに固定される.続いてオートスレッディング機能は,テープリールから自動的にテープを繰り出し,左側の巻き取りリールに巻きつけ,書き込み,読み出し可能な状態にする.勿論テープをはずす時には,テープは自動的に巻き取られ,ハブはゆるめられパワーウインドウは開くので,すぐにはずせる.
特筆されるものを以下に示す.
- 1) データ転送速度
- テープ送り速度 200インチ/秒,データ転送速度320KB/秒で,これは世界でトップクラスの性能であった.
- 2) 速い巻き戻し時間
- 2400フィート(732m)テープを約45秒(従来は60秒が国産最高)で巻き戻すことが出来る.これは平均時速60kmに当たる.
- 3) 検出部の全発光ダイオード化を実現
- 磁気テープ装置には光を用いた検出部が数箇所あるが,その発光源として従来はランプが用いられていた.本装置ではこれらを全て発光ダイオードに置き換えることにより,ランプ寿命に基づく障害は極めて少なくなった.
形名 | H-8468-1 |
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使用磁気テープ | 1/2インチ幅,2400フィート長 |
トラック数 | 9 |
記録密度(BPI) (記録方式) |
1600/800 (PE/NRZ-1) |
テープ速度(インチ/秒) | 200 |
データ転送速度(KB/秒) | 320/160 |
テープ駆動方式 | シングルキャプスタン,真空コラム方式 |
巻戻し時間 | 45秒 |