【日立】 H-8455 オープンリール磁気テープ装置

H-8455は,国産初のオートスレッディング(テープ自動装填)機構を採用したオープンリール磁気テープ装置で,1971年11月に出荷された.従来の磁気テープ装置ではオペレータが磁気テープを装着してから,テープコネクタでテープを接続したり,巻き取り側リールに手で巻きつけたりする作業が必要であった.本装置では,磁気テープを装置に装着し、テープ先端を所定の位置に置くだけで、後はボタンを押すとテープが自動的に左側のリールに巻付き、装置が書き込み読み出し可能な状態になり,オペレータの作業を大幅に削減した.情報処理速度においても毎秒24万バイトで,当時国産最高の能力を有した.
特筆されるものを以下に示す.

1) キャプスタン制御系の光による回転数を検出する光タコメータを採用したシングルキャプスタン方式により,高速での起動停止と高速巻戻しを実現した.
2) 磁気ヘッドに従来とは異なった,フラットヘッドを採用した.
3) 電源を装置に内蔵し,単体での保守性を一段と向上させた.
H-8455磁気テープ装置の主な諸元
形名 H-8455
使用磁気テープ 1/2インチ幅,2400フィート長
トラック数 9
記録密度(BPI) 1600
テープ速度(インチ/秒) 150
データ転送速度(KB/秒) 240
テープ駆動方式 シングルキャプスタン,真空コラム方式
巻戻し時間 1分

  
H-8455 オープンリール磁気テープ装置