【富士通】 FACOM 6480 磁気テープ装置

FACOM 6480は,富士通のストリーミング型磁気テープ装置であり,1981年5月に完成した.従来のオープンリールテープを使用した磁気テープ装置では,テープの緩衝機構として真空コラムを装備していたが,本装置では,この真空コラムを廃止して,テープ間直接駆動方式を採用した.これにより,テープ送り機構が非常にシンプルな構造となり,コスト低減のみならず,消費電力および騒音を大幅に低減でき,オフィスでの使用が可能となった.

本装置は,ストリーミングモードとスタート・ストップモードの二つの動作モードを有し,前者のモードでは,160キロバイト毎秒の高速データ転送が可能で,多量のデータのバックアップ/リストア用の磁気テープ装置として高いコストパフォーマンスを実現した.スタート・ストップモードの場合には,テープの位置決めのためにリポジショニングが発生するため,データ転送速度は20キロバイト毎秒に低下する.

1983年12月には,記録密度を6250RPIに高めたFACOM 6481Aが完成した.

FACOM 6480A,6481A磁気テープ装置 主要諸元
  FACOM 6480A
(FACOM 6480R)(*1)
FACOM 6481A
(FACOM 6481R)(*1)
完成時期 1981年5月 1983年12月
記録密度(RPI) 1,600 6,250/1,600
データ転送速度 ストリーミングモード 160 KB/秒 625/160 KB/秒
スタートストップモード 20 KB/秒 78/20 KB/秒
主要接続システム FACOM M-310/320
FACOM M-130F/140F
FACOM M-310/320/330
FACOM/PANAFACOM S-3000シリーズ

*1:FACOM 6480R,6481Rは,FACOM/PANAFACOM S-3000シリーズ用のラック搭載型の磁気テープ装置.


 
FACOM 6480/1磁気テープ装置
写真はFACOM 6481AであるがFACOM 6480もほとんど同じ外観である.
FACOM 6480R磁気テープ装置