日本電気は1966年4月,高速大容量のN271A磁気ドラム装置をNEACシリーズ2200モデル500の受注発表とともに発表,10月に大阪大学に納入した.
この磁気ドラム装置は 記録密度を増大させるために,磁性記録面にNi-Co合金メッキを,磁気ヘッドに動圧浮動追従方式を,記録方式にFM方式を採用した.
浮動ヘッド方式により磁気ヘッドと記録面の間隙は従来の25〜30μmから6〜10μmとなり記録密度を数倍に高めることに寄与した.ドラムの回転数が定常回転に達した後タイマーにより自動的に磁気ヘッドを接近,浮動させるようになっている.
また,浮動ヘッドであることや温度変化等による再生波形の変動増大に対応するため,セルフクロッキング方式であるFM(Frequency Modulation)記録方式を採用している.
ドラム部は60cm×60cm×82cm(高)の大きさであり従来の同容量の固定式磁気ヘッド式ドラムに比較し約1/5の容積となった.
本装置は,NEACシリーズ2200の各モデルに接続して使用された.
型名 | N271A |
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ドラム寸法(mm) | 240φ×300 |
回転数(rpm AC60Hz時) | 3,540 |
平均アクセスタイム(msec AC60Hz時) | 8.4 |
情報転送速度(字/秒 AC60Hz時) | 76.8k |
情報トラック数 | 256 |
1周記憶容量(ビット) | 12,000 |
全記憶容量(ビット) | 3,100,000 |
使用温湿度条件 | 5〜35℃,40〜80% |
外形寸法(cm) | 158(W)×76(D)×107(H) |
重量(kg) | 470 |
用途 | NEACシリーズ2200 |