【日立】 H-8567 磁気ドラム装置

本磁気ドラムは先に製品化した浮動ヘッド方式のH-8566用磁気ドラムを小型化かつ大容量化しHITAC-8000シリーズ用の磁気ドラム記憶装置として1970年に製品化した.

回転体の直径を従来の360 mmから250 mmに小径化し,駆動モータも内蔵するなどして容積比で約四分の一に小型化した.又浮上している磁気ヘッドと回転体表面の媒体とのスペーシングを約5 μmから2 μm程度に縮めるとともにFM記録方式の採用などにより記憶容量を従来の2倍の4 MB(メガバイト)と大容量化を実現した.平均アクセスタイムは従来通り10.3 msである.

このH-8567磁気ドラム装置に使用されている磁気ドラムはFV-2540磁気ドラムの形名でドラム単体としても製品化され,電子交換機用や同業他社用にも販売された.尚,FV-2540磁気ドラムは電電公社と日立製作所との共同研究により開発された製品である.

H-8567磁気ドラム装置諸元
装置形名 H-8567-1形/-2形
完成時期 1970年
ヘッド方式 浮動ヘッド
ヘッド浮上量 1.7 μm
記憶容量 4 MB
記録方式 FM記録方式
平均アクセスタイム 10.3 ms
データ転送速度 -1形:2.2 Mbit/秒(シリアル転送)
-2形:8.8 Mbit/秒(4ビットパラレル転送)
ドラム 使用ユニット名 FV-2540
トラック数 856
回転数 3,000 rpm
回転体寸法 250 φ×420 mm
記録密度 56 bit/mm
接続システム 電子交換機/DIPS/
加入データ通信システム
座席予約システム
HITAC-8000シリーズ

 
H-8567 磁気ドラム装置 外観H-8567 磁気ドラム装置機構部 内部