F6495アレイディスク装置(注1)は,F6493の後継機として1997年8月に出荷された.クラスタミラーリングと呼称するRAIDテクノロジ(RAID 0+1(1+0と同等))の採用,キャッシュメモリ上のデータの二重化,コンポーネントの二重化,活性保守機構のサポートにより,24時間,365日の連続運用にも耐えられる高信頼ストレージシステムであった.
- (注1)当時はアレイディスクと呼ばれたが,将来はディスクアレイの呼称が一般的となった.
F6495アレイディスク装値には,ディスククラスタと制御部を内蔵するF6495GA/HA/KAと,ディスククラスタのみを内蔵するF6495GB/HB/KBの二つの機種があった.それぞれの3つのモデルは,サポートする3種類の論理ボリューム容量(1,260 メガバイト, 1,890 メガバイト, 2,835 メガバイト)に対応していた.
F6495アレイディスク装置の特徴は以下のとおり.
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クラスタミラーリング:ホストサーバ(メインフレームやオープン系サーバ)からのデータは,冗長系の独立な二つのディスククラスタに同時に記録される.一方のクラスタ内のディスクに故障が起きた場合,もう一方のクラスタ内のディスクに記録されたデータを使用することにより,業務に影響を与えることなく運用が継続される.
更にホットスペアディスクにより,故障ディスクをクラスタ内で最大6台まで自動復元することができる. - コンポーネントの多重化と活性保守:キャッシュメモリ,ファン,電源,デバイスパスにいたるまでの各種コンポーネントで多重化構成を採用しており,ハード故障による業務への影響を防止出来る.また殆どのコンポーネントが活性交換可能となっていて保守性を高めている.
- 大容量HDDの採用:最新テクノロジによって開発された高密度3.5インチ型HDD(9ギガバイト, 7200rpm)を採用し,コントローラとディスク間のデータ連想能力を向上し,安定した運用を可能にしている.
- オープン系サーバとの連携:オープン系サーバの標準となっているSCSIインタフェースをサポートし,オープン系サーバとの連携を強化している.これにより,基幹系サーバ上(メインフレーム)に蓄積されるデータをオープンサーバによる情報系システムに展開し,データの有効活用を図ることができる.
- ランニングコストの低減:高密度HDDの採用と,高密度実装技術により,装置の小型化と消費電力,発熱量の低減を実現.設置面積および消費電力の面では,64ボリューム構成比較で,前世代のF6429Hに対し,面積で47%,消費電力38%を実現.
  | F6495G型 | F6495H型 | F6495K型 | |
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出荷時期 | 1997年8月 | |||
容量 | 装値あたり | 基本:10.08 GB 最大:322.56 GB |
基本:15.12 GB 最大:484.84 GB |
基本:17.01 GB 最大:714.42 GB |
論理ボリューム | 1,260 MB | 1,890 MB | 2,835 MB | |
増設単位 | 5.04 GB | 7.56 GB | 11.34 GB | |
トラック容量 | 47,476 byte | |||
構成 | 装置あたり クラスタ数 |
1 〜 4ペア | ||
装置あたり 論理ボリューム数 |
8 〜 256 | 6 〜 252 | ||
ドライブ〜コントローラ間 データ転送速度 |
20 MB/s | |||
データ転送速度 | 電気チャネル | 3.0 MB/s,4.5 MB/s | ||
光チャネル | 6.0 MB/s,9.0 MB/s | |||
SCSI | 12 MB/s,17 MB/s | |||
接続チャネル数 | 4, 8, 12, 16 |