【富士通】 F6427磁気ディスク装置

F6427磁気ディスク装置は,装置あたり最大45ギガバイトの記憶容量を持ち,しかも平均ポジショニング時間12ms,平均回転待ち時間6.9msと,大容量と高性能を実現し,1992年11月に富士通から出荷された.

ドライブには8インチ型HDDが採用され,一世代前のF6425Hに比べて同等の設置スペースで最大6倍の記憶容量が実現された.F6427磁気ディスク装置はF1700ファイル制御装置(注1)に接続してシステムを構成する.

(注1) F1700ファイル制御装置は,F6427磁気ディスク装置の効率的な運用を可能にするファイル制御装置である.大型システム向けのF1700B型と小中規模構成用のF1700S型の2タイプがある.


F6427アレイディスク装置(注2)の特徴は以下のとおり.

  • 4パスクロスコール機能;同一ストリング(ディスクグループ)内の任意の4つのドライブに対し,同時にリード/ライト動作が可能で,これにより,高スループットと高い信頼性を実現した.
  • 活性増設:既設置ストリングへの装置の増設,別ストリングの増設,および装置へのドライブ増設(4個のドライブエンクロージャ単位)が,設置場所にて利用者の業務を停止することなく行うことを可能にした.
  • データベースアシスト機構:従来,ホストコンピュータで行っていたデータベース(RDB II)の検索処理と計数処理をサブシステムにオフロードし,磁気ディスク制御部のデータベース処理専用のプロセッサで実行するものである. データベースアシスト機構を搭載することにより,ホストコンピュータ側のCPU負荷の軽減やチャネルデータ転送量の低減,およびこれにともなう入出力実行時間の短縮を実現した.

(注2)当時はアレイディスクと呼ばれたが,将来はディスクアレイの呼称が一般的となった.


F6427磁気ディスク装置 諸元
  F6427K型 F6427H型
出荷時期 1992年11月
容量 装値あたり KA1/KB1 : 11.34GB
KA2/KB2 : 22.68GB
KA3/KB3 : 34.02GB
KA4/KB4 : 45.36GB
HA1/HB1 : 7.56GB
HA2/HB2 : 15.12GB
HA3/HB3 : 22.68GB
HA4/HB4 : 30.24GB
ドライブエンクロージャ 2,835 MB1,890 MB
トラック容量 47,476 byte
データ転送速度 4.5 MB/s
平均ポジショニング時間 12 ms
平均回転待ち時間 6.9 ms
データ形式 CKDバリアブル
デバイスクロスコール 4パス
フィールド増設 4ドライブエンクロージャ単位

F1700ファイル制御装置 諸元
  F1700S F1700B
データ転送速度 電気チャネル 3.0 MB/s,4.5 MB/s
光チャネル 6.0 MB/s,9.0 MB/s
接続チャネル数   4,8  8,16,24,32
同時動作可能なチャネル数   2,4  4,8,12,16

F6427磁気ディスク装置(基本型)F6427磁気ディスク装置(拡張型)F6427磁気ディスク装置(部分)