H-8577ディスク駆動装置は,日立メインフレーム向け大容量磁気ディスク装置として開発された.
本装置は,1970年代前半のオンラインコンピュータのメインディスクとして位置づけられた.
基本的な装置方式はH-8564磁気ディスク駆動装置を踏襲しているが,面記録密度は2倍化されディスクパックを構成する円板枚数も11枚と増加している為,スピンドル当り容量は30メガバイトと大幅に拡張された.さらにこれらのディスクパックを1制御装置当り9スピンドル(含むスペアディスク)搭載し集団ディスク装置とすることにより,制御装置あたりの記憶容量は飛躍的に増大した.
記録媒体には14インチ塗布形円板11枚にてディスクパックを構成し,ヘッドは従来の2倍の20本とした.
ヘッド本数の増大に伴う位置決め精度悪化は,各種機構の精度/管理を向上することにより解決した.
アクチュエータ/記録方式は油圧機構/FM記録と従来機と同様の方式を採用した.
本装置はIBM2314ディスク装置と媒体互換性を持ち,ディスクパックの相互付け替えが可能であった.
完成時期 | 1970年5月 |
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装置当り記憶容量 | 60 MB/DKU |
スピンドル当り記憶容量 | 30 MB |
BPI | 2,200BPI |
TPI | 100TPI |
面記録密度 | 0.22Mbit/inch² |
円板サイズ/枚数 | 14 inch/11枚 |
ヘッドタイプ/アクチュエータ当り本数 | 重荷重インダクティブ/20本 |
平均アクセス時間 | 75ms |
ディスク回転数 | 2,400rpm |
データ転送速度 | 300 KB/s |